FF16の「PS5独占」は半年間。PC版のゆくえは?

ゲーム Sony
Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

特集

スクウェア・エニックスが2023年夏に発売予定のソフト『ファイナルファンタジーXVI』(以下「FF16」)が、発売後の6ヶ月間はPS5の「独占(exclusive)」タイトルとなることが明らかとなりました。

もっとも記事執筆時点では、これがXboxやNintendo Switchを含めた家庭用ゲーム機全般での「コンソール独占」だけを意味しているのか、それとも半年間はPC版の発売もないと示唆しているのか不明です。

FF16は人気シリーズ「ファイナルファンタジー」の最新作でありアクションRPG。前作の『ファイナルファンタジーXV』(2016年発売)から、実に7年ぶりの投入です。シリーズ通じておなじみの召喚獣もまじえて、バトルは主人公が人間スケールのまま人型の兵士やボスと戦う/人間大のまま大型ボスや召喚獣と戦う/召喚獣同士が派手に激突する3種類があると予告されています。

さて公開の場となったのは、ソニーが海外向けの公式YouTubeチャンネルで公開したCM動画です。「PS5のパワーでゲームがどのように生まれ変わるかご覧あれ」的に今後の発売予定タイトルを次々と紹介するトレーラーですが、FF16は15~16秒あたりに登場。その下には「PS5 exclusive for six monhts」と小さく書かれています。

「発売直後のFF16は完全にPS5時限独占なのか、それともPC版もあり得るのか?」は、2年以上前から注目を集めてきました。そもそも2020年9月にFF16が発表された当時、トレーラーには「PlayStationコンソール独占」の下に極小フォントで「PCでもお楽しみ頂けます(ALSO AVAILABLE ON PC)」と明記。しかし、ほどなく動画は差し替えられ、そこでは「PCでも~」のテキストは跡形もなく消えていました

今回さらに混乱を呼んでいるのは、同じ動画内で紹介された別のスクエニ(略称)タイトル「Forspoken」が2023年1月24日の発売後、「2025年1月23日まではPS5独占」と書かれていることです。このゲームはPC版もPS5版と同時発売であり、つまり「スクエニ的にはPS5独占=PC版は別枠として同時発売する可能性を排除しないのでは?」という憶測にも繋がるわけです。

逆にFF16でのPS5時限独占が「あらゆるプラットフォームを含めて6ヶ月」だとすれば、まず半年後にPC版が解禁。そして「Forspoken」の例に倣い、Xbox版などは2年後の2024年夏に発売……?という可能性も浮上するでしょう。

はるか古代の「次世代ゲーム機戦争」(90年代後半)に遡れば、ゲームの大作が特定プラットフォームの独占タイトルになるのは珍しいどころか、むしろ一般的でした。たとえば『ファイナルファンタジーVII』が初代プレステ陣営に付いたことで、シーソーゲームを続けていたセガサターンとの均衡が一気に崩れて勝負ありとなった故事もあります。

FF16がわずか半年だけPS5独占となることは、永遠にドラクエもFFも来ることがなかったセガユーザー視点から見れば懐かしさ、さらには優しささえ感じてしまうかもしれません。とはいえ、日本ではいまだに入手困難なPS5でしか遊べない期間が半年も続くことが、今後の国内でのFFブランドにどのような影響をおよぼすのかも興味深いところです。

《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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