Qualcommは11月15日(現地時間)、年末の恒例となっているハワイでのSnapdragon Summitにおいて、次期モバイルプラットフォームとなるSnapdragon 8 Gen 2を発表しました。
昨年発表され、2022年発売のハイエンドスマートフォンに搭載されているSnapdragon 8 Gen 1の後継製品となります。CPUのKryoには、プライムコアとして、最大3.2GHzのCortex-X3を搭載。このほか、2.8GHzのパフォーマンスコアを4つ、2.0GHzの高効率コアを3つ搭載する独自アーキテクチャとなっています。これによりパフォーマンスが最大35%、電力効率は最大40%向上しています。
Adreno GPUも強化されており、ハードウェアレイトレーシング機能を搭載。詳細は明かされていませんが、ゲームがこの機能を利用することで、リアルタイムのレイトレーシングを利用でき、優れたバッテリー寿命と電力効率を実現するとしています。
なお、GPU性能は最大25%向上、電力効率も最大45%改善されているとのこと。また、Metahumanフレームワークに完全対応するUnreal Engine 5をサポートしており、フォトリアルスティックで驚くほど正確なアバターを作成できるとしています。
CPU、GPU以上に力を入れているのがAI Engineで、AI性能は従来のものと比べて最大4.35倍高速化。Snapdragonモバイルプラットフォームとして初めてINT4(4ビット整数演算)によるAI推論をサポートしており、1Wあたりのパフォーマンスが60%向上、全体的なパフォーマンスは90%向上しています。
また、カメラ機能も強化されています。AIを搭載した新しいCognitive ISPのセマンティックセグメンテーションにより、画像内の顔、髪、服、背景などをリアルタイムに認識し、シャッターボタンを押す前に細部まで調整できるとのことです。人物だけではなく、自然や食べ物、文字なども識別が可能となっています。
通信面では、AIプロセッサを統合した世界初の5Gモデム「Snapdragon X70 5G Modem RF System」を搭載。ミリ波とSub-6に対応しており、SA/NSAの両方をサポートしています。また、Qualcomm FastConnect 7800を組み合わせることで、Wi-Fi 6の2倍以上となる最大5.8Gbpsを実現するWi-Fi 7に対応します。
Qualcommによると、Snapdragon 8 Gen 2を搭載したスマートフォンは年末までに発売されるとのこと。Xiaomiは中国Weiboにて、新しいフラッグシップがSnapdragon 8 Gen 2を搭載する最初の製品になると発表しています。