火星探査車パーサヴィアランス、岩石サンプルの荷造り完了。地球への配送予定は2033年

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Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

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NASAの火星探査ローバーPerseverance(パーサヴィアランス)が、将来の火星サンプルリターン計画に向けて地表の岩石サンプルのパッキング開始しました。記事執筆時点ですでに2つめの容器への梱包を終え、それぞれ地上に配置しています。

Perseveranceは2021年2月以来、赤い星の地表で岩石や砂塵、大気のサンプルを収集してきました。その多くは自らが搭載する科学機器で分析していますが、一部はマーズ・リターン・キャンペーンと称する将来のミッションで、火星から地球へ回収することが計画されています。そのため、Perseveranceは今後2か月ほどかけ、合計10個のサンプルを火星の地上に配置します。

火星サンプル回収ミッションはまだ計画段階ではあるものの、NASAのサンプル回収用着陸機(Sample Retrieval lander:SRL)が近くに降りてPerseveranceからサンプルを受け取り、再び火星軌道まで上昇して、そこで待ち受ける回収用探査機にサンプルを渡す、いわばバケツリレー方式が想定されています。

ただ、着陸機の現地到着が遅れるか、Perseveranceに何らかの問題が発生してしまうとこのプランは機能しません。そのためバックアッププランとして、PerseveranceはSRLに渡すサンプルの採取と同時に、もう一組採取しておいた予備サンプルを地上に置いておき、着陸機に搭載する2機の回収用ヘリでそれらを集めて着陸機に積み込みます。

2022年現在、回収ミッションは2028年頃に探査機を打ち上げ、5年後の2033年に地球へサンプルを持ち帰ることが検討されています。


12月24日の段階で、Perseveranceは2個目のサンプルを配置し終えており、その作業は順調な様子です。ちなみに、最初に落とされたサンプルには、今年1月31日に採取された火成岩のサンプルが収められており、2つめには、はるか昔に川の三角州だったと思われる場所に堆積した岩の一部が入っているとのこと。PerseveranceのTwitterアカウントは「私がこれまでに採取したなかで最も長い岩石コアです」と述べていますが、これらのサンプルを収めた容器はマジックペンほどの大きさで、「最も長い岩石コア」とは言っても、NASAによるとその長さは7.36cmほどだそうです。

ちなみに、Perseveranceの名目上の運用期間は、1火星年(地球の日数で687日間)とされています。それだと回収用の着陸機が来るころにはもう運用されていないことになりますが、これまでに火星にやって来たローバーは、そのほとんどが予定を大きく延長して活躍してきました。2012年8月に現地に到着したCuriosityは、10年を経たいまも活動を続けています。


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《Munenori Taniguchi》
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