最新のiPhone 14シリーズに備わった衝突検出+衛星経由の緊急SOS機能のタッグにより、携帯圏外の谷に落ちた男女が無事に救出されたエピソードは、先日お伝えしたばかりです。
しかし、そんな先端技術ではなく、iPhoneに昔から備わった「探す」ネットワークにより、交通事故に遭って身動きが取れなくなった女性が救出されたできごとが伝えられています。
これはカリフォルニア州・サンバーナーディーノ郡消防局(SBCoFD)がFacebookで報告しているもの。車道から大きくはみ出した車両を発見したとの通報を受け、現場に到着したところ、高速道路から約200フィート(約61m)下にあることが判明。
そこで重傷の成人女性1名を保護し、高度救命処置を始めるとともに、被害者と救助隊員らを引き上げるためのロープシステムを設置するなど、大がかりな救出作戦が繰り広げられました。そして患者は安全な場所に移動された後に、待機していた救急車に乗せられ、現地の医療機関で治療を受けています。
たいていiPhoneをきっかけとした救出劇は「iPhoneが転倒あるいは衝突を検出、自動的に緊急通報」が恒例となっています。が、今回は女性の持つiPhoneからSOSが発信されたのではなく、家族がiPhoneの「探す」アプリを使って探したおかげです。
被害者は家族との集まりを離れた後に、事故車の中で一晩を過ごしたそうです。その後、連絡が取れなくなった家族が心配し、iPhoneの「探す」アプリを使って彼女の居場所を追跡したところ、道路から外れた場所でに検出されたため、911(緊急通報)した次第です。
つまり通りすがった誰かのおかげではなく、まさに家族が自発的に探し、レスキュー隊に通報した上に位置情報まで連絡したというわけです。
もっとも、これは「家族と位置情報を共有する」設定をしていたから可能だったことです。まず家族とファミリー共有を設定した上で、自分の位置情報を共有する相手として家族を選んでおく必要があります。
またファミリー共有を設定していなくとも、「探す」アプリ内にある「人を探す」タブで「位置情報の共有を開始」からも、自分の位置を知らせる相手を指定できます。
もしも女性が家族と位置情報をシェアしていなければ、発見が遅れたか、さらに最悪の事態となったかもしれません。いざという時の命綱として、家族がiPhoneを所有している場合は、設定をしておいた方がよさそうです。
その一方で、お手柄を立てていた衝突検出機能は、ジェットコースターで誤通報が相次いだ後に、iOS 16.1.2アップデートにより「最適化」されたはずでした。が、その後もスキーで転ぶだけで911に電話をかけてしまい、現地当局のリソースを圧迫しているとの報道もあります。
スキーで転んでも「人命が危機に晒される可能性ある事態」には違いないにせよ、緊急センターやレスキュー隊といった人的リソースには限りがあるため、今後も小まめなアップデートにより調整が必要かもしれません。