驚きの音質向上果たしたHomePod(第2世代)で、『Apple Music Sing』を使っておうちカラオケした【先行レビュー】

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村上タクタ

フリーランスライター。1969年京都府生まれ。バイク雑誌編集者に憧れて上京し経歴を開始。ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌、デジモノの雑誌をそれぞれ7〜10年編集長として作る。趣味人の情熱を伝えるのがライフワーク。@takuta

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2年間の発売終了期間という沈黙を破って、HomePodが第2世代に進化した。

さっそく、HomePod(第2世代)2台とApple TV 4K(第3世代)を組み合わせ、Apple Musicの『Sing』という機能を使ってカラオケを楽しんでみた。

HomePodを、ボーカルを消す『Sing』を設定したApple TV 4Kと連携

Singは、iPhone 11以降など、最新のアップルデバイスで楽しめる『ボーカルを消してしまえる機能』。正確には、機械学習によってボーカルの音だけを判別し、ボーカル部分のボリューム調整を可能にする機能。また、多くの曲では音節単位の歌詞表示が可能になる。

▲Singではボーカル部分のボリュームを調整可能。また、音節単位での歌詞表示を実現している。

機能の詳細や、対応機種、対応楽曲については、TechnoEdgeの松尾公也さんの記事を参照のこと。


ともあれ、音質、音量的に、このHomePod(第2世代)2台とApple TV 4K(第3世代)が最強カラオケセットになることは間違いない。

ちなみに、HomePod(第2世代)が4万4800円、Apple TV 4K(第3世代)が1万9800円なので、合計10万9400円。さらに、テレビとHDMIケーブルも必要。SingはApple Musicの機能なので、月額1080円のサブスクリプションも必要になる(1カ月の無料トライアルあり)。カラオケマシンとしては高価だが、もちろんこのシステムを導入すれば高音質で音楽が聴けるし、映画も見られる。

▲テレビにApple TV 4K(第3世代)とHomePod(第2世代)を組み合わせれば準備OK

非常に高音質のおうちカラオケとして利用可能!

実際やってみると、かなり楽しい。

私はそれほど音楽マニアではないので、私が知ってるレベルの曲ならたいていボーカルを消せて、音節単位での歌詞表示が可能。

HomePod(第2世代)のステレオペアなら、一般のカラオケ店を超える音質、音量での再生が可能なのでかなりいい感じに歌うことができる。

ただし、家の敷地が広大な一軒家か、防音室があるお宅でなければ、盛り上がってくれば間違いなく近所から苦情が来るだろうから、その点は十分に配慮して行っていただきたい。ちなみに、筆者は昼間にほどほどの音量で試してみた。

楽しい機能だけに、友達と集まって、チューハイでも飲みながら……となると、苦情案件必至だろう。

▲HomePodは2台をステレオペアに設定することで左右のスピーカーとして連携させることができる。ただし、組み合わせは同じ機種・世代でのみ可能。

また、Singにはボーカルを消す機能しかなく、自分の音声を取り込んでエフェクトをかけてくれたりするわけではないので、自分の声は『素』で聞こえてくる。よほど上手い人でなければ興醒めな部分なので、ここは別系統で音声を取り込んでエフェクトをかけて別のスピーカーから出力する仕組みが必要かも。どんどん、大掛かりになるな。

(タイトルカットのマイクは、気分で持ってるだけで、何にも繋がっていません。)

そのマイクに、ShiftallのMutalkを使えば、先の苦情案件も解消できるかもしれない。外でやったら通報されかねない奇妙なスタイルだが、自宅ならば大丈夫だ。

まったく違うレベルの音質に進化したHomePod(第2世代)

Singのカラオケで盛り上がり過ぎて肝心要のHomePod(第2世代)のレビューを忘れるところだった。

これが、驚くほど進化しているのだ。

従来のHomePodは、アメリカの広い家でクラブミュージックを大音量でかけてパーティーをするのに向いた音質だったが、日本の狭小住宅で小さなボリュームで音楽を聞くのにはあまり向いていなかった(遠回しにディスっている)。

▲一見、初代と見分けがつかないが、天面全体が光る、ボリュームの±表記がプリントになった、電源ケーブルが容易に取り外し可能になった、などの大きな違いがある。

それが、強力なウーファーのおかげで、全体の音がボンヤリしてしまっていたのが解消されて、非常にクリアな音質になっているのだ。それどころか、単体でもステレオ感が強くなっており、音の分離、定位が非常によくなっている。もちろん、2台使ってステレオペアを組んだ方がよいことに変わりはないが、これなら1台でもいいかなとは思えるものになっている。

楽器に対して、ボーカルも非常に際立って前に出てくる感じがあって、ボーカルの声のツヤ感なども増している。5年前のHomePod登場時は日本とアメリカの住宅事情の違いを恨んだものだが、HomePod(第2世代)なら、ボリュームを絞っても良い音が楽しめるので、日本のみなさんにもようやく安心して勧められる。

▲4つのマイクアレイで周囲の反射音を収集し、部屋の形状、室内の音の反射状況を収集。5つのビームフォーミングツイーターアレイによって、音場を形成する。搭載するチップは、A8からS7へと変更。

5年前に初代HomePodをリリースした時から、AirPods Max、AirPods Proの開発を経験し、空間オーディオなどの新技術を獲得、ニューラルエンジンを使ったさまざまな処理の経験を積んだということなのだろう。本当に目からウロコが落ちるような音質の向上だ。

当然のことながら、スマートスピーカーとして、iPhone、iPad、Macと非常にマッチングがいいので、今回はiPhoneユーザーのみなさんに、「ぜひ!」とお勧めしたい。iPhoneで聞いていた曲を、iPhoneをHomePodに近づけるだけで引き継ぐ(逆も可能)ことができるHandoffなど、アップル製品ならではの使い勝手を満喫できるはず。

もちろん、Apple TVで映画を見たり、ゲームをしたりする際のスピーカーとしても使える。

第1世代に魅力を感じなかった人も、ぜひ第2世代iPodを試してみていただきたい。



2022 AppleTV4K 64GBストレージ搭載Wi‑Fiモデル (第3世代)
¥19,800
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《村上タクタ》

村上タクタ

フリーランスライター。1969年京都府生まれ。バイク雑誌編集者に憧れて上京し経歴を開始。ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌、デジモノの雑誌をそれぞれ7〜10年編集長として作る。趣味人の情熱を伝えるのがライフワーク。@takuta

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