イヤホン内蔵のスマートウォッチ「HUAWEI WATCH Buds」レビュー

ガジェット ウェアラブル
山本竜也

20年務めた会社を辞めて、ガジェットなど好きなことをブログなどに書いて生きています。

特集

HUAWEIが2022年12月に中国で発売した、イヤホンを収納できるスマートウォッチ「HUAWEI WATCH Buds」。まるでスパイグッズのようでもあり、一見するとネタアイテムという気もするのですが、出かける際につい忘れがちなイヤホンをスマートウォッチに収納できるのは意外と便利かもしれず、なんとも判断に迷うアイテムです。

そんなHUAWEI WATCH Budsが、国内販売に向けてGREEN FUNDINGにてクラウドファンディングを開始しました。

GREEN FUNDINGを含め、国内のクラウドファンディングでは目標額をクリアするか否かにかかわらず支援者に商品を発送する、つまり製品化への支援というより既存製品の先行予約販売であることが多いのですが、今回は200台以上の支援がない場合は販売は行わないとのことです。それだけ、国内で売れるかどうか判断を迷っているということなのかもしれません。ちなみに、プロジェクトの起案者はHUAWEI JapanではなくSB C&Sとなっています。

今回、そのHUAWEI WATCH Budsをお借りしたので、気になる使い勝手などを紹介したいと思います。

見た目は普通のスマートウォッチ

外観はケース径47mm、1.43インチAMOLEDを搭載するやや大型のスマートウォッチ。イヤホンを内蔵しているとは思えないほど、見た目はごく普通です。HUAWEI WATCH 3を少し大きくした雰囲気です。ボタンは竜頭が1つのみで、HUAWEI WATCH 3シリーズにあるファンクションボタンはありません。

ディスプレイは1.43インチ。ケース径は47mmと大き目
厚みは14.99mmとやや厚め

背面の心拍センサーは血中酸素レベル(SpO2)の計測にも対応。HUAWEI製スマートウォッチの心拍測定機能は「TruSeen 5.0+搭載」といった宣伝をすることが多いのですが、HUAWEI WATCH Budsについては特にその情報はありません。ただセンサーの形状を見る限り、HUAWEI WATCH GT3やGT3 SEなどTruSeen 5.0+搭載機種と同等のようです。

スマートウォッチとしてのフィットネス・ヘルスケア系機能は、24時間の心拍測定や血中酸素レベルの測定、ストレス計測、睡眠計測、各種運動の計測と、最近の製品に搭載されていそうなものには一通り対応しています。というよりも、機能的にはHUAWEI WATCH GT3 SEと同等なようです。

計測データはHUAWEIヘルスケアアアプリで確認可能
データはスマートウォッチ上からも確認できます

バッテリー持ちは、ディスプレイの常時表示を有効にした状態で丸一日使って20%ほど消費。後述するイヤホンを頻繁に使ったり、通知が多かったりするともう少し減りは早いかもしれません。なお、公称では通常使用で約3日間。ロングバッテリーで知られるHUAWEIのスマートウォッチとしてはかなり短めになっています。

ノイズキャンセリング対応イヤホンを内蔵

ここまではスマートウォッチとしてのHAUWEI WATCH Budsを見てきましたが、最大の特徴は何と言ってもイヤホンを内蔵すること。

ディスプレイ下部にあるボタンを押すとディスプレイが開き、中からイヤホンが登場します。

ディスプレイ下部にあるボタンで開きます
実際にはロックが外れてわずかに開くので、あとは手で全開にします

イヤホンはディスプレイ側に磁力で貼りつく仕様。イヤホン本体は四角柱になっており、どの面でも貼り付けることが可能です。

イヤホンはかなりコンパクト

また、イヤホン自体に左右の区別がなく、どちらの耳に装着しても自動で検知して左右チャンネルを修正してくれます。ちなみに、装着後に左右を入れ替えてもちゃんと左右を認識してくれます。ただこの場合はすぐに自動入替は行われず、一度首を振る(うなずくような動作)必要があります。すると英語のアナウンスが流れて左右の入れ替えが行われます。もちろん、左右チャンネルが合っている状態では、この動作には反応しません。

非常に小さなイヤホンで、装着感は耳栓そのもの。ちなみにイヤチップは3サイズが付属しています。

コンパクトで装着時にも耳から出っ張らないので、そのまま耳を下にして寝てしまっても痛みなどはありません。寝ながら使うイヤホンとして便利かもしれません。

ジェスチャーコントロールに対応しており、本体のタップのほか、耳介や耳の前の部分をタップしても操作可能。タッチセンサーになっているのではなく、振動を拾っているようです。振動さえ伝わればいいので、頭を強めに叩いても反応します。そんなことをする必要もないのですが。

操作はダブルタップとトリプルタップがあり、左右それぞれに割り当て可能。ただし、トリプルタップはノイズキャンセリングモードの切り替え専用になっています。

ということで、イヤホンはノイズキャンセリングに対応します。ただ、そこまで強力なものではなく、なんとなく効いている気がするという程度。どちらかというと耳栓としてのパッシブなノイズキャンセリングのほうが効いています。

簡易的なイコライザ機能もあり、デフォルト、低音強調、高音強調、音声の4つのプリセットから選択できます。

ノイズキャンセリングのモード切替やイコライザ設定はスマートフォンアプリで行えるほか、スマートウォッチ上でも操作できます。

対応コーデックはSBCとAACのみ。じっくり音楽を聴いたり、音質を気にしたりするようなイヤホンではありませんが、可もなく不可もなくという感じで聴くことができます。サイズ的に仕方がない部分もありますが、低音強調にしても低音は少な目です。

イヤホンを忘れがちな人におすすめ

正直なところ、あえてHUAWEI WATCH Budsのイヤホンをメインで使うメリットはないと思いますが、出先で音楽でも聴こうかと思ったら、イヤホンを持ってくるのを忘れた。あるいは、急にオンラインミーティングをすることになった場合などには便利かもしれません(マイクも搭載しています)。

なお、GREEN FUNDINGでのクラウドファンディングは3月15日まで。このプロジェクトの期間中は、二子玉川の蔦屋家電+で実機展示を行っているとのことなので、気になる人はチェックしてみてください。


《山本竜也》
山本竜也

20年務めた会社を辞めて、ガジェットなど好きなことをブログなどに書いて生きています。

特集

BECOME A MEMBER

『テクノエッジ アルファ』会員募集中

最新テック・ガジェット情報コミュニティ『テクノエッジ アルファ』を開設しました。会員専用Discrodサーバ参加権やイベント招待、会員限定コンテンツなど特典多数です。