GitHubは1月25日付けでユーザーが1億人に到達したことを発表しました。
GitHubによると、最初にコードがコミットされたのは2007年10月とのこと。2019年に同社が開催したイベント「GitHub Universe 2019」では、当時のCEO Nat Friedman氏が2025年までに1億人を達成すると予測していました。実際にはそれよりも2年早く到達したことになります。
現在最もユーザー数が急成長しているのがインドで、1000万人以上が利用中とGitHubは述べています。
設計図共有サイトからソフトウェア開発の中心へ
GitHubは、Linuxの生みの親であるリーナス・トーバルズ氏が開発した分散型バージョン管理システム「Git」のホスティングサービスとして始まりました。
現在でこそGitとGitHubはソースコードのバージョン管理システムの事実上の標準と言える存在となりましたが、GitHubの存在がGit普及における大きな役割を担ったことは間違いないでしょう。
先日、GitHubがSubversionのサポートを2024年で終了すると発表しました。この発表の中で、Subversionのサポートを開始した2010年当時は「分散バージョン管理がいつか主流になれるのかどうか、まだ分からず、Gitが支配的なシステムになるかどうかはさらに不透明」だったと吐露しています。
2018年にマイクロソフトがGitHubの買収を発表したときには、日本経済新聞が記事の見出しで「設計図共有サイト」とGitHubのことを紹介して話題になりました。
現在のGitHubは単にソフトウェアのソースコードを管理し共有するだけでなく、ソフトウェアの問題や機能を議論するコミュニケーションの場としての機能や、ソフトウェアのビルドやテストといったツールチェーンのハブとなる機能、GitHub上でそれらの実行を行う機能、そして最近ではAIを用いてコードを自動生成する機能などが追加されています。
既存のさまざまな製品がソフトウェアによって革新されようとしている現在、GitHubはソフトウェア開発の中心的な役割を担うまでの存在に進化していると言ってよく、それがユーザーの急成長につながっていると思われます。
それと同時に、そうした急成長の下支えとなったのはマイクロソフトが買収したことによるインフラの充実や経営支援などでしょう。GitHubの急成長は、マイクロソフトによるこれまでの企業買収の中で最も成功した例を示すものでもあると言えそうです。
この記事は新野淳一氏が運営するメディア「Publickey」が2023年2月6日に掲載した『GitHubユーザーが1億人に到達。約16年でソースコード管理の事実上の標準に』を、テクノエッジ編集部にて編集し、転載したものです。