Apple Musicなどのサブスクに来ないアーティストの最後の大物、キング・クリムゾンがついに解禁となりました。全アルバムがApple Music、Spotifyをはじめとする音楽サブスクリプションサービスで聴けるようになっています(Amazon Music、YouTube Musicでは一部アルバムのみ)。
▲Apple Musicで聴けるアルバム(「クリムゾン・キングの宮殿」以外)
ロックのカテゴリーをはみ出した先進的な音楽ジャンル「プログレッシブロック」が1960年代の終わりに始まりました。中でも人気が高かったバンドの一つがキング・クリムゾン。鮮烈なデビュー作である「クリムゾン・キングの宮殿」は、ビートルズの実質的ラストアルバムである「アビーロード」を追い落としてチャートトップに立つや、キング・クリムゾンはイエス、ピンク・フロイドと並ぶプログレの雄となりました。
音楽の媒体がビニールレコードからCD、CDからポータブルデジタルオーディオに代わり、iTunes Music Storeの時代になると、キング・クリムゾンは独自の道を歩み始めます。リーダーであるロバート・フリップが運営するDGMで音楽配信を行い、他の配信サービスには出さなくなったのです。
ここ数年は少し様子が代わり、一部のタイトルだけはサブスクにもパラパラと顔を出すようになります。しかし、一番脂の乗っていた時期である1970年代前半の名盤が揃って出ることはありませんでした。ロバート・フリップは違法ダウンロード・配信に対しては厳しい態度を取っており、音楽配信業社やレーベルとの訴訟も何度か起こしています。
「エピタフ」や「クリムゾン・キングの宮殿」「ムーンチャイルド」「スターレス」といった名曲をApple Music、Spotifyで探してもスタジオアルバム収録のオリジナルはなく、誰かのカバー(それが初期のリードボーカルであるグレッグ・レイクだったりはするのですが)しかなかったりします。
筆者は先月の終わりに、「クリムゾン・キングの宮殿」のカバーをライブ演奏する機会があり、そのプレイリストを聴いてボーカルの練習をしていたのですが、その時はオリジナルではなく、グレッグ・レイクのカバーで代用していたのでした。
さらに、「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」に出てくるスタンド「キングクリムゾン」の能力「エピタフ」をジョジョ関連プレイリストに含めることができないのです。
3月23日は「太陽と戦慄」がリリースされてから50周年でした。さて、あなたは何から聴き始めますか?
▲太陽と戦慄
Apple Music Singでクリムゾンを歌え!
そうそう。Apple Musicに来たのだから試さなければならないことがありました。Apple Music Singです。
キング・クリムゾン・カラオケ(オリジナル演奏)がやり放題なのです。先日、実機メロトロンといっしょにボーカルを担当した「クリムゾン・キングの宮殿」もちゃんとカラオケ化されていました。1カ月早かったらこれで練習できて、もっと完成度上げられたのに……。
え? 「スターレス」もカラオケできるの? 困ったなあ(困ってない)。
¥3,200
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