「Twitter社」消滅、マスク氏のX Corp.と合併で「X運営のTwitter」へ

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Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

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昨年10月にイーロン・マスク氏がTwitterを買収する際「Twitter を買収することは、万能アプリ(everything app)である X の開発を促進する」と謎のツイートをしていたのを覚えている人はいるでしょうか。もしかすると、マスク氏はその計画を実行に移し始めたかもしれません。

4月4日に裁判所に提出された文書によると、Twitter Inc.はもはや存在せず、マスク氏が所有する「X Corp.」なる企業に合併されたことが明らかになりました。マスク氏はこのことについて発表していません。

マスク氏は昨年4月、デラウェア州に「X Holdings I」、「同 II」そして「同 III」と名付けた会社を設置していました。当時の取り決めによれば、Twitterはこのうち「II」と合併するものの、デラウェア州法の下で運営を続け、その名前と一般的な企業構造も維持するとされていました。そして「I」が合併後の会社の親会社になり、「III」は買収のためにマスク氏がTwitter買収のために大手銀行グループから借り入れた130億ドルの融資を引き受けることになるとのことでした。

しかし、ネバダ州政府のオンラインビジネスポータルによると、マスク氏は今年3月9日に「X Holdings Corp.」と「X Corp.」と名付けた2つの会社を事業登録し、デラウェア州の「X Holdings I」を「X Holdings Corp.」に、そしてTwitter Inc.を「X Corp.」に合併したとされています。つまり、企業としてのTwitter Inc.はなくなり、現在はネバダ州に管轄されるX Corp.が、Twitterと呼ばれるサービスを運営する会社になっているということです(マスク氏とTwitterが抱える、Twitter関連の負債と訴訟はすべてX Corp.が引き継ぐことになります)。

1999年のX.com(のちにPayPalと合併)をはじめ、マスク氏は ” X ” の文字に思い入れがあるようで、SpaceXやModel Xなど社名や商品、プロジェクト名にたびたびXの文字を使用してきました。この記事冒頭で紹介したツイートでもマスク氏は、Twitterをメッセージング、ソーシャルネットワーキング、支払いアプリといった複数の機能を持つ万能アプリ「X」にすることを示唆していました。企業名をX Corp.としたことが、「WeChat」のようなXアプリにつながるのかどうかはわかりませんが、今後が気になるところです。

ちなみに、今回Twitter社がX Corp.になったことが発覚した文書は、2019年にTwitterが、あるユーザーアカウントを凍結処分にした際に、そのユーザーが、処分は米国連邦法の恐喝法に違反しているとして起こした訴訟に関するものです。この訴訟が終わるまで、Twitterは情報を開示する書類を定期的に裁判所に提出しなればならない決まりになっているとのことです。


《Munenori Taniguchi》
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