アップルの世界開発者会議WWDC23の開催が6月5日(現地時間)に迫るにつれ、その場で新型Macが発表される、いや見送られるとの噂が次々と入り乱れています。たとえば大型の15インチMacBook Airも「発表されるが期待通りのプロセッサではない」という有力情報も入っていました。
そんななか、アップル公式アプリ「探す(Find My)」の設定ファイル内に、未発表Macの識別子3つが見つかりました。
開発者のNicolás Álvarez氏はMac14,8、Mac14,13、および Mac14,14の3つを発見したと報告しています。ただし「置き忘れた」通知をしない製品リストの中にあるため、移動しないことを前提としたデスクトップ版だと推測。要は家や会社に設置して使うこと前提で、ユーザーが離れるたびに注意されても困る据え置き型だろう、というわけです。
そしてデスクトップ版Macといえば、現在の製品ラインアップからいえば、iMac、Mac Studio、Mac Proの3つに絞り込まれます。
ただ注意すべきは、M2系チップを搭載したMacはすべて「Mac14,x」と表記されるということ。M2 Mac miniは "Mac14,3"、M2 Pro Mac miniは "Mac14,12"、M2 MacBook Airは "Mac14,2 "というぐあい。また同じMacでも、構成によって異なる識別子を割り振られる場合もあります。
そしてiMacに関してはM2シリーズは飛ばして次期「M3」チップ版までは出ないとの予想が有力です。それを考えると、新たな識別子は次期Mac StudioあるいはMac Proである可能性が浮上します。
もっとも次期Mac Studioについても、現在の最上位構成M1 Ultraの後継チップ「M2 Ultra」を搭載するとMac Proと被ってしまい共食いとなりかねないため、やはりM3か「M4」世代まで見送られるとの予想もあります。アップルの内情に詳しいBloombergのMark Gurman記者も、米MacRumorsのYouTube番組でこの説を繰り返し主張していました。
そうして消去法で考えると、最後に残ったのはAppleシリコン版Mac Proでしょう。いまだにインテル製チップ版が現役を続けていますが、あるYouTuberがアップルに下取り価格を査定させると50分の1に下がったと嘆いていました。
また一方で、「M2 Ultra」を超える「M2 Extreme」チップ搭載モデルは高価になりすぎるため開発中止されたとの噂もあり。ほか、「AppleシリコンMacで外付けGPUが使えない」弱点は、次期Mac Proにも引き継がれる可能性が高いと見られています。
そうして期待が盛り下がった感はあるものの、まもなく次期Mac Proがお披露目される見込みが高まったとは言えそうです。もっとも、上記のネット番組でGurman氏は「年内に発売される予想は変わりないが、6月のWWDCでは姿を現さないだろう」と述べており、さらに引っ張られることになるのかもしれません。
「MacのAppleシリコンへの移行は2年で完成させる」というプレスリリースが出て、次のWWDC23で3年。生成系AI、大規模言語モデルのローカル処理に必須なNVIDIAのCUDAが使えないMacの魅力が低下しつつある状況をひっくり返せるデスクトップPCが登場することを期待したいところです。