アップルが現地時間6月5日に開催する「WWDC23」では、次期iOS 17やiPadOS 17、watchOS 10等の新たなシステムソフトウェアが公開されるとみられています。
そのうち、最も注目が集まるのがiPhone用のiOS 17でしょう。著名ジャーナリストがサイドローディング、つまり公式App Store以外でのアプリのダウンロードが可能になると主張しています。
この噂の発信源は、アップル関連で最有力リーカーとの呼び声もあるBloombergのMark Gurman記者 です。最新のニュースレターによると、来年までにEUの新たな規制に対応するため「iPhoneをサイドローディングに解放するためのソフトウェアのオーバーホール」に取り組まれている最中だそうです。
次期「iPhone 15」シリーズは全モデルともLightningポートからUSB-C端子に移行することが確実視されていますが、なぜならEUが通称「スマホにUSB-C採用義務」法を制定するためです。
iPhoneがサイドローディングに対応するとの噂は、やはり昨年11月にEUで発効した「デジタル市場法(DMA)」が原因です。
本法律は、まずユーザー数や売上高、資本金など一定の基準を満たしたハイテク企業を「ゲートキーパー」に指定。それら企業は自社サービスやプラットフォームを、他社や開発者に開放するよう義務づけられます。まだゲートキーパー候補は発表されていませんが、アップルのリスト入りはほぼ確実視されている事情があるわけです。
アップルは長年にわたりサイドローディングは「ユーザーを深刻なリスクに晒す」と繰り返し反対してきましたが、現地の規制が決まったからには従うだろう、と見られています。
昨年末からGurman氏は、アップルがソフトウェアエンジニアリングとサービス関連の従業員に「自社プラットフォームの重要な要素を開放するための大規模な取り組み」に従事させていると報じていました。早ければiOS 17に実装されるかも、と付け加えていましたが、いよいよメドが立ってきたようです。
今回の記事では、それ以上iOS 17の詳細には触れられていません。が、少し前にiOS 17ではパフォーマンスと安定性の向上に重点を置く方針から「ユーザーから最も要望が多かった機能」を追加される方向にシフトしたと述べられていました。
「最も要望が多かった機能」としては、たとえばコントロールセンターの刷新やダイナミックアイランド(iPhone 14 Proモデルの画面上部にある楕円状スペース)対応機能の拡大、高齢者向けに文字やアイコンを大きく表示したりUIを調整できる「カスタムアクセシビリティ」などが噂されています。
そうした壮大な構想はさておき、iPhoneを買い替えずに何年も使っている人にとっては「愛機がアップデート外のリストラ対象にならないか」が気が気ではないはず。iOS 17ではiPhone 8やiPhone8 Plus、iPhone Xのサポートが打ち切られる、いや打ち切られないと情報が錯綜していますが、こちらの続報も待ちたいところです。
iPhone 2023特集