Twitter共同創業者、元CEOのジャック・ドーシーが支援し、Twitter代替のひとつとして注目される分散型SNS「Bluesky」は28日、ユーザー数が1日で2倍以上に増加したと報告しました。またそのためにデータベースをアップグレードしています。
Blueskyは現在ベータ版であり、アカウントを作るには招待コードが必要です。そのため、今回のユーザーの増加は、招待コードが大量に発行され、それを受けとった人たちがつぎつぎにサインアップしたと思われます。
Twitterフォロワー数180万人のDrilをはじめ、米民主党の下院議員アレクサンドリア・オカシオ=コルテス、映画『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』の監督ジェームズ・ガンといった著名人らも立て続けにBlueskyに現れ、既存のBlueskyユーザーたちはそれを温かく迎え入れていました。
なお招待コードは知り合いの既存ユーザーから受け取るか、Blueskyのウェブサイトにメールアドレスを登録して招待コードが届くのを待つ必要があります。
Blueskyのジェイ・グラバーCEOは、4月28日時点のユーザー数が約4万人になったとBloombergに話しています。これに対して、すでにiOS版のクライアントアプリは約36万回ダウンロードされており、日本、米国、英国で最近リリースされたばかりのAndroid版のダウンロード数も延びているとのこと。
さらにTwitterで大量のフォロワー数を抱える著名ユーザーもBlueskyに加わりつつあることから、今後もしばらくは、招待コードの発行に応じてユーザー数は伸びていくはずです。
Twitterでは最近、米国NPRなど大手の報道機関が事実と異なるラベル付けをされたとして利用を取りやめる事例が続いています。
イーロン・マスク氏による買収前に認証バッジを得ていた公式アカウントからは「基準が不透明」としてバッジを外しつつ、イーロン・マスク氏個人や Twitter社が非公開の基準で選んだ著名人には一方的に青バッジを付与し、「このユーザーは Twitter Blueに加入して電話番号を登録したために認証されています」と事実と異なる表示をしていることが分かった際には、これを拒否する運動「#BlockTheBlueChecks」が発生して話題になったりしています。今回Blueskyに現れたDril氏は、この運動を始めたひとりでした。
正式サービス開始前のBlueskyにはまだまだ足りない機能がたくさんあり、ユーザーからのフィードバックを元に機能追加や改善を行っている状況です。たとえば、好みに合わないアカウントをブロックする機能などもまだありません(アプリVer.1.25で追加されることがアナウンスされました)。
なりすましへの対策は、ウェブのドメインを管理していればユーザー名に使って示す方法はあるものの、それ以外の本人認証のような仕組みはなく、すでにいくつかの偽アカウントも登場していると報告されています。
現在は利用者が少なく宣伝や迷惑アカウントも少ないことが快適さにつながっている面もあり、ユーザーが増えていけば、様々な不便や意見の衝突も増えると考えられます。
ただ少なくとも、Blueskyは一社を買収して支配することができない仕組みのため、たとえばイーロン・マスク氏が個人所有して作り替えるおそれはありません。