Slack、ユーザー独自の大規模言語モデルも統合できる「Slack GPT」発表。未読スレッドの要約、顧客ごとのメール提案など多機能

テクノロジー AI
新野淳一

ITジャーナリスト/Publickeyブロガー。IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。

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Slackは、ChatGPTに代表されるさまざまな生成的AIをSlackをプラットフォームとして統合する「Slack GPT」を発表しました

Slack GPTは、Slackに生成的AIを統合していくビジョンとされています。

OpenAIのChatGPTだけでなく、AnthropicのClaude、SlackのネイティブなAI機能となるEinstein GPT、あるいはユーザー独自の大規模言語モデルなど、複数のAIをSlackをプラットフォームとして集約し、未読メッセージの要約、スレッド内容を基にした提案、SlackのWorkflow Builderへの組み込みと状況に応じた文章の生成など、さまざまな機能に役立てるというものです。

Slack GPTの発表に合わせて、いくつかの具体例が上記の動画などで紹介されています。その内容を紹介しましょう。

未読メッセージ群のサマライズ

最も典型的な生成的AIの利用法は、未読メッセージ群の要約でしょう。下記の例では、未読メッセージ群に対して「Summarize it」ボタンをクリックします。

すると、Einstein GPTがサマライズした文章を生成してくれます。

別の例では、スレッドの内容を基に、自分は次のアクションとして何をするべきかをClaudeに質問し、答えてもらっています。

大量の未読があるスレッドの内容を素早く把握する場合や、忙しくて過去のメッセージを振り返る時間がない場合に便利に使えそうです。

ワークフローに組み込み、顧客に応じたメール作成

Workflow Builderに生成的AIを組み込む例では「AI-powered lead response」(AIを活用したリード対応)というワークフローを作成しています。

その内容は、Salesforceから新しい有望顧客(リード)が得られた場合、ChatGPTでその顧客宛のメールのドラフトを生成してもらい、それをSlackのCanvas機能で共有する、というもの。

このワークフローが作動すると、下記のようにリードのサマリーと、リードの内容に応じたメールのドラフトがCanvasで共有されたという通知が届きます。

効率的な営業メールの作成が可能になるでしょう。

顧客関連情報を作成

次は、Einstein GPTに対して「最有力顧客への提案で知っておくべきことは?」と質問。

Einstein GPTは最有力顧客に関する情報を教えてくれます。

このようにSlack GPTはさまざまなAIをSlackの上で組み合わせたサービスを実現できることになります。

今後、例えば特定の業務に詳しいAIや、特定分野のボキャブラリに詳しいAIなどの組み合わせによるサービスなども実現されていくと予想されます。

すでに「Claude app for Slack」はベータ版として公開されており、無料で利用可能です。「ChatGPT app for Slack」も発表済みで、現在は利用申し込みのウェイトリスト登録を受付中。

Slack GPTのネイティブなAI機能として予定されている「Einstein GPT app for Slack」は現在開発中。ワークフローにAIを組み込める「Workflow Builder with Slack GPT」は今夏に登場予定とされています。


この記事は新野淳一氏が運営するメディア「Publickey」が2023年5月8日に掲載した『Slack、さまざまなAIをSlackに統合する「Slack GPT」発表。未読スレッドの要約、顧客ごとのメール提案など多機能を提供』を、テクノエッジ編集部にて編集し、転載したものです。


《新野淳一》

新野淳一

ITジャーナリスト/Publickeyブロガー。IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。

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