マイクロソフトのXbox事業トップであるフィル・スペンサー氏は、同社がベセスダ・ソフトワークスの親会社ZeniMax Mediaを買収した理由の1つが、注目の大作ゲーム「Starfield」がゲーム機ではプレイステーション独占になる可能性を阻止するためだったと主張しました。
この発言は、米FTC(連邦取引委員会)がマイクロソフトのアクティビジョン・ブリザード買収計画を差し止めるための裁判にて行われたものです。米PolygonとThe Vergeが、ほぼ同じ内容を伝えています。
スペンサー氏はソニーがサードパーティのパブリッシャーに対して、『Xboxをスキップすること』を条件に報酬を支払うことを繰り返していると主張。その一例として、最近発売された「ファイナルファンタジーXVI」を挙げています。
「わが社がZeniMaxを買収した動機の1つは、ソニーがDeathloopとGhostwireに関して取引したこと……Xbox版を発売しないようベセスダに報酬を支払う契約をしたことでした」と述べています。
実際、『DEATHLOOP』はPS5版が2021年9月発売、買収が成立したあとの2022年9月にXbox Series X|S版が発売。
『Ghostwire:Tokyo』はPS5版が2022年3月、約1年後にXbox Series X|S版が発売され、いずれも家庭用ゲーム機ではソニーの時限独占となっていました。
さらにスペンサー氏は「Starfieldについても、Xbox版を排除する可能性のある交渉」が進行中だと聞いたとのこと。
そこで「私たちは3位の家庭用ゲームハードとして、コンテンツの獲得でさらなる遅れを取るわけにはいかない立場から、ビジネスを存続させるためにもコンテンツを確保せざるを得なかった」と語っています。
ここでいう「3位」とは、ゲーム専用機市場でソニー、任天堂に続く第3位ということです。マイクロソフトは今回の裁判に提出した書類で「Xboxゲーム機の売上は、PlayStationと任天堂に次いで(3機種中)常に3位に位置してきました。2021年のXboxのシェアは16%で、任天堂とPlayStationはそれぞれ(伏せ字)と(伏せ字)です」と述べていました。
ソニーが水面下で「Starfield」を時限独占とする交渉をしていたことは、当時ゲームジャーナリストが関係者からの情報として伝えていたこともあります。
ほかベセスダが発売予定のタイトルとしては、「Redfall」が当面はXboxとPC独占となることが発表済みです。
さらに開発中の「インディ・ジョーンズ」新作ゲームも同様の扱いとなることが、今回の裁判でFTC側の弁護士が明かしています。
やはりベセスダが開発中の「The Elder Scrolls VI」に関しては、スペンサー氏はXbox独占かどうかを明確にすることを拒否。
「このゲームの発売がどれほど先のことかを考えると、どのプラットフォームで発売されるのかは少し不透明だと思います」と述べてぼかしています。本作は2018年6月に開発を正式発表しましたが、先はまだ長いようです。
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