iOS 17の新機能「スタンバイモード」をベルキンのMagSafe充電スタンドで試す(西田宗千佳)

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西田宗千佳

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フリーライター/ジャーナリスト

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1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。

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仕事場に荷物が届いた。

中に入っていたのはベルキンの「BOOST↑CHARGE PRO MagSafe 2-in-1磁気ワイヤレス充電スタンド」だった。


うん、名前が長い。

▲BOOST↑CHARGE PRO MagSafe 2-in-1磁気ワイヤレス充電スタンド

この製品、結構な人がすでに目にしたことがあるはずのものだ。6月に開催されたアップルの開発者会議「WWDC 2023」の基調講演で、iOS 17の新機能を解説するために使われていたからだ。

(編集部注:キーノートで使われたのはTwelve SouthのForteという情報提供がありました)

iOS 17に搭載される「スタンバイモード」で使うと便利、という流れである。

ちょうどiOS 17のパブリックベータ公開が始まっている。せっかくなのでどう動くのか、このスタンドのレビューを兼ねてご紹介しよう。

なお、iOS 17の正式公開は秋であり、パブリックベータ版には不具合などが含まれている可能性がある。また、動かない・不具合の出るアプリが存在している可能性も高い。そのため、技術検証など明確な目的がない限り、インストールはお勧めしない。

また、本記事での画面写真は、報道での利用を目的に許可を得て制作、公開している。


iPhoneとAirPodsを同時にワイヤレス充電

BOOST↑CHARGE PROは、簡単に言えば「MagSafeの充電スタンド」だ。

▲白いところがMagSafeで、黒い部分がAirPods用のQi充電器。

iPhoneにおけるMagSafeは2020年秋発売の「iPhone 12」シリーズ以降で採用されていて、Qi規格によるワイヤレス充電にマグネットでの吸着、NFCでのデバイス認識をセットにした技術だ。

とはいえ、NFC連携はアップル純正のケースなどでの利用が中心であり、基本的には「磁石でくっついて充電するもの」と考えればいい。

BOOST↑CHARGE PROはワイヤレスでiPhoneに対し15Wの充電が可能で、さらに、台座部分にQi規格のワイヤレス充電機能をもう1つ搭載している。上下にQiがあるわけで、iPhoneやAirPods以外をくっ付ければ充電はできるのだが、一応想定としては、上のMagSafe対応部分にiPhone、下の台座にAirPodsを置くということになっている。

▲こんな風に、上にiPhone・下にAirPodsを置いて充電

電源は専用のもので、USB PDなどからの給電ではない。この辺はぶっちゃけ自分の好みとは違う。一方、ケーブルからスタンドまでの非常にすっきりとした設計なので、場所を決めて使うならこれで問題はなかろう。

▲付属充電器。スタンドへの接続は専用端子。

iOS 17の「スタンバイ」と連動

というわけで、スタンドとしては非常にシンプルなものなので、そんなに語ることはない。

ただ重要なのは、MagSafeでの充電なので「iPhoneを90度回転させられる」ということだ。

iOS 17の「スタンバイ」ではここが重要だ。

スタンバイは、MagSafeで充電をしている場合に有効。90度倒すとスタンバイモードに入り、画面が「時計」になる。ケーブルでの充電では効かない。

▲iPhoneを90度回転させると時計表示に。

時計には数種類あって、フォトスタンド的に使う時にはFace IDで認証したりもする。

▲時計は複数種類用意されている。(住所が出てしまう部分があるので写真ではモザイク処理しています)

また、Siriの回答やアプリの通知も大画面化するので、離れたところからでも見やすい。

▲フォトスタンド表示では、写真を撮った場所も表示される。
▲Siriに質問すると大きな表示に。

そんなに複雑な機能ではない。普段からスマホをベッドサイドなどで充電していて、目覚まし時計がわりにしている人は多いだろう。そんなとき、これまでは「縦画面」で見ていたわけだが、横画面でより時計的になるので、かなり使いやすくなる。

BOOST↑CHARGE PROがデモに使われたのも、シンプルなデザインでベッドサイドなどに向き、さらに「90度回転させても似合う」からだろうと思う。

センサー活用で細かな配慮を

スタンバイモードは結構芸が細かい。

iPhoneの照度センサーや近接センサーをうまく使っているのだ。

就寝時間になって電気を消すと、時計の表示は「赤」になる。暗闇でも目を刺激しづらいからだ。

▲周囲が暗いと「赤表示」になるので、目への刺激は小さい。

さらに「睡眠」モードに入っている場合、画面表示は消える。ずっと表示されないわけではなく、時計を確認しようと近づいていくと、その時だけ画面が表示されるのだ。

以下の動画を見てもらえばわかるが、画面の端でなにかがチカチカ光っている。これはiPhoneの近接センサーの光だ。人間の目には見えないのだが、イメージセンサーは捉えられるので動画には写っている。

▲暗闇で、近接センサーを使って「見たときだけ表示される」様子を動画で。

けっこう便利なものなので、iOS 17の正式公開に合わせ、注目されていくだろうと思う。BOOST↑CHARGE PROのレビューではあるが、実際にはBOOST↑CHARGE PROでなくても使える。だからこの秋は、新iPhoneのケースやフィルムだけでなく、MagSafeの充電スタンドが盛り上がりそうな気がしている。



iPhone 2023特集
《西田宗千佳》
西田宗千佳

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