Googleは5月、Android端末に不審なBluetoothトラッカーの警告機能を追加すると予告していました。この機能がいよいよ、Android 6.0以上のデバイス向けに提供が始まっています。
ただし、7月末時点で対応するのはアップルのAirTagのみ。Googleは「メーカーと協力し、この重要な安全対策を他の追跡タグにも広げるべく、業界共通仕様を通じて、時間をかけて取り組んでいきます」とコメントしています。
Bluetoothトラッカーが本来の持ち物探しや忘れ物防止という目的から外れ、他人を追跡するストーキング等に悪用されることは珍しくなくなっています。
iPhoneやiPad、iPod touchには不審なAirTagを自動で検知してユーザーに通知する機能が備わっています。が、Androidデバイスではアップル提供の「トラッカー検出」アプリをユーザー各自がインストールした上で、手動で起動する必要がありました。
この「不明なトラッカー警告」機能は、主に3つの要素から構成されています。
1.不明なトラッカーの自動警告
不明なトラッカーが一緒に移動していることが検出された場合、「不明なトラッキングアラート」が通知。ここでいう「不明なトラッカー」とは、所有者のデバイスから離れて Bluetooth の圏外になったものです。
この通知をタップすると、地図アプリにトラッカーを最後に検出した場所が表示されます。さらに「音を鳴らす」をタップすると、トラッカーから音が鳴ります。音を鳴らしても、トラッカーの持ち主(ストーカー)に通知されることはありません。
2.不明なトラッカーへの対処
不明なトラッカーを見つけた後は、2つの対処法があります。1つは、Androidスマホの背面にトラッカーを近づけること。一部のトラッカーではシリアル番号や、電話番号の下4桁など、本来の持ち主に関する情報を得られる場合があります。
もう1つは、Bluetoothトラッカーを物理的に完全に無効にすること(バッテリーを外すなど)。ただし、詳しい手順については「メーカーサイトを参照してください」とのことで、メーカーごとに異なります。
なお公式サポートページには「無効にすると危険と思われる場合は有効なままにしておくこともできます。状況に応じて判断してください」ともあることを留意した方がよさそうです。
3.手動で周囲をスキャンする
自動的な通知を待たずに、自分の周囲にあるトラッカーを手動スキャン機能でチェックできます。まずAndroid端末で[設定]>[安全性と緊急情報]>[不明なトラッキング アラート]>[スキャン開始]をタップして10秒ほど待ちます。
以上、Googleは簡単にあらましが分かる短いYouTube動画を公開しています。
なお、5月に同時発表していた新たな「デバイスを探す(Find My Device)」ネットワークは、「アップルがiOS向けの安全機能を実装するまで」展開を保留するとのこと。つまりアップル待ち、というわけです。
この「デバイスを探す」ネットワークは、オフラインの状態でも対応デバイスを呼び出したり、地図アプリ上で位置を確認できるようになる予定です。こちらの進展も待ちたいところです。