Googleはブラウザで表示した長文記事を生成AIが箇条書きにまとめてくれる「SGE while browsing(ブラウジング中のSGE)」機能の初期テストを始めました。iOSおよびAndroid用のGoogleアプリで、またはChromeブラウザで利用できます。
本機能は、5月から米国で提供を始めた「Search Generative Experience(SGE)」、すなわちGoogle検索と生成系AIを融合させる初期テストの一環です。そしてSGEは日本で未提供のため、今のところ国内では利用できません。
この新機能の目的は、Googleの表現では「生成系AIがどのようにオンライン情報をナビゲートし、ユーザーが探しているものの核心に素早くたどり着く手助けになるか」をテストすること。
要はユーザーが新しいトピックを理解しようと検索したとき、長文や複雑なウェブサイトに出会うと予備知識なしに咀嚼する必要があり、テーマの核心を絞り込むのが難しいため、それを手助けしようというわけです。
具体的には、Googleアプリで長文サイトにアクセスすると、ページ下部に「Get AI-powerd key points」というオプションが出現。ここで「Generate(生成)」ボタンをタップすると「Key Points」として要点が箇条書きが表示されます。
さらに「ルート66が始まった年は?」「ルート66の長さは?」などの質問が生成されて、本文内にある答にリンクする(ページ内検索)仕組みです。
Googleのウェブ検索には従来から、キーワードにマッチしたページへのリンクを表示するだけでなく、ユーザーが検索を通じて知りたがっているであろう質問と答えを表示する機能がありました。
今回テストが始まったSGE while Browsingは、検索して開いた先や普段ウェブを読んでいるときでも、生成AIによるまとめと「知りたいこと / 回答」ペアを参照できるようになります。
また、要約できるのは無料で公開されている記事のみで、有料記事は対象外です。
この新たなAI機能は、8月15日(米現地時間)時点ではiOSとAndroid向けGoogleアプリのみ利用可能。今後、数日中にデスクトップ版ChromeでもSearch Labsユーザー(要ウェイトリスト登録)に提供予定とのことです。なおSearch Labsは米国ユーザーしか登録できないため、日本での提供がいつになるのか、そもそも提供されるのかも不明です。
ほか、AIが生成した回答内にある特定の単語にカーソルを合わせると定義や関連する画像を見ることができる機能。そして初心者がコーディングへの理解を助けるためキーワードやコメント、文字列などを色分けすることも含めて、3つの新機能をSGEユーザー向けに展開します。
これらは全て、国境を越えて全てのユーザーに待ち望まれているはず。Googleの大規模言語モデル「Bard」は日本でも利用可能になっていることもあり、早期にSGEを提供することも期待したいところです。