マイクロソフトが任天堂の買収を検討していたことや、新型Xbox Series X|Sを2024年後半発売に向け準備中であることなど、社内文書の大量流出が大きなニュースになりました。
これはマイクロソフトによるアクティビジョン・ブリザード買収計画を差し止めようとする米FTCとの訴訟に際して、マイクロソフト自らが資料として提出したものです。裁判所が同社から資料を受け取り、第三者が閲覧できるファイル管理サーバーにアップロード。それら膨大な文書から、海外ゲームフォーラムReseteraの有志らが機密情報を発掘して転載したという流れです。
この前代未聞の機密流出について、訴訟を担当した米連邦地裁は、当局のミスではなくあくまでマイクロソフト側の責任であるとしています。
以前も同じ訴訟でソニーが参考資料を提出したところ、一部の黒塗りが薄かったため、『Horizon Forbidden West』など大作タイトルの開発費が2億ドル超だと分かったことがあります。またマイクロソフトが秘していたセガやBungieの買収検討が明らかになったのも、自らが提出した社内メールからでした。
今回の騒動は、9月15日(米現地時間)に新たにアップロードされた文書が火種となっています。一見すれば機密情報をすべて黒塗りしているようでしたが、1つのPDFにいくつか未修正の文書が添付されており、そこにマイクロソフトとXboxの秘密がギッシリ詰まっていました。
なぜ、こんなことが起きてしまったのか? 訴訟相手であるFTCのダグラス・ファーラー広報部長はPolygonの取材に「マイクロソフトのゲームとゲーム専用機に関する計画を裁判所のウェブサイトにアップロードしたのはFTCの責任ではない」と述べています。つまり、流出した文書には一切関わっていないということです。
かたや連邦地裁は、「提出された裁判資料に非公開情報が含まれていたため、インターネットから資料を削除した」とした上で、安全なクラウドリンクを介して裁判資料を再提出するようマイクロソフトに求める命令を出しています。
流出した資料については、非公開情報を削除したうえで提出することを命じたところ、9月14日にマイクロソフトから資料を含むリンクが送られてきたため、そちらの内容をアップロードしたと経緯を説明しています。つまり指示どおりに非公開情報を消さずに提出したマイクロソフト側の責任であり、当局が誤って公開したのではないことが分かります。