2010年に設立された「世界初の公式Unityユーザーグループ」ことBoston Unity Group(BUG)は、「会社に対する信頼を完全に失った」として最後のオンラインミーティングを開催すると発表しました。これをもってBUGは解散することになる模様です。
これは先週、このゲームエンジンを使用する開発者らの間に騒ぎを引きおこした料金体系改革に続いての動きであり、Unityはその後新料金体系の一部分を緩和する変更をすると述べました。しかし、いまでも多くの開発者が、やはりこのエンジンを敬遠する姿勢を見せています。
BUGはコミュニティへの声明文のなかで、「残念なことに、数年前からUnityの関心はゲーム業界からも開発者コミュニティのサポートからも離れてしまった。IPO後、会社は利益を最優先として企業買収や主要スタッフの解雇を行い、利益を何よりも優先しているようだ」とし、「開発者が必要とする多くの重要なシステムは依然として混乱し、不完全な状態が残り、広告と収益の方が重要だというメッセージばかりが伝えられている」述べています。
また、Unityが発表したインストールごとに料金が発生する条件はユーザーにとって「考えられないほど敵対的」であるとし、先週後半に発表された料金モデルに関する「新たな譲歩」でさえ、コミュニティ内のインディーズ開発スタジオが成功するには釣り合わない影響を与えると主張しました。
そして「今日のUnityグループは設立されたときの会社とは違っており、われわれが会社に対して持っていた信頼は完全に失われてしまった」と述べています。
BUGだけでなく、他の開発者らも、Unityの料金体系の変更緩和は会社への信頼を回復するのにほとんど役立たなかったとしています。
たとえば『Vampire Survivors』を開発するPoncleは、Redditへの書き込みで次回作でUnityエンジンを使うかとたずねられた際、「lol、no thank you」と返答し、その後「Unityが現在のリーダーシップのもとにある限り、彼らを信頼するのは賢明ではないと考える」としました。
『Among Us』の開発者Tony Coculuzzi氏もSNSで「Unityのリーダーシップは依然として信頼できない」と述べています。
『Demonschool』を開発するNecrosoft GamesのBrandon Sheffield氏は「Unityが料金体系の変更を公にする前にその詳細を知り、反対の意を示していたが、聞き入れられなかった」とWiredに述べています。そして「われわれは彼らが約束を守るとはまったく信じていない」としています。
Unityの社長マーク・ウィッテン氏は先週、Wiredに対し「クリエイターと双方向の会話でもっと話し合う」つもりであり「信頼は得るのが難しく、失うのは簡単だということを私は深く知っている」と述べました。そして「実際に信頼を獲得する唯一の方法は、言葉ではなく行動だということはわかっている。私にできることはそれしかない」と語っています。
ちなみに、BUGはメンバーに対して今後は地域コミュニティ向けプラットフォームMeetupのBoston GameDevへ参加することを進めています。