裸族だった僕がiPhone 15でPITAKAのアラミド繊維ケースを選んだ理由(本田雅一)

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本田雅一

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ジャーナリスト/コラムニスト

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ネット社会、スマホなどテック製品のトレンドを分析、コラムを執筆するネット/デジタルトレンド分析家。ネットやテックデバイスの普及を背景にした、現代のさまざまな社会問題やトレンドについて、テクノロジ、ビジネス、コンシューマなど多様な視点から森羅万象さまざまなジャンルを分析。

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iPhoneはずっとケースに入れずに使い続けていた。いわゆる裸族(と仲間内では言われていた)だが、もうとっくの昔に過去形である。

背面を磨き上げたシリーズ中、最も美しかった(と思う)仕上がりのiPhone 7/Jet Blackを、発売日からわずか1週間で落として傷だらけ&割れガラスにしてしまったことをきっかけにケースを使うようになった。

振り返れば、それまでよく致命的な落下を経験しなかったものだと思うが、道具を使うことでできる傷も味の一つだろう、なんて思っていた。

しかし、端末価格は上昇をし続けた一方で中古市場は安定形成され、長期はもちろん中期的な価値も存在しなかったデジタル製品の世界に、自家用車よろしく綺麗に使って中古市場に還流する流れが生まれたこともケースを装着するようになった理由だ。

一方でiPhoneの本体サイズは拡大を続け、本体だけなら我慢できても、ケース付きだと"???"と感じるようになっていたのは、別にiPhoneだけの話ではなく、スマートフォン全体のトレンドとの感覚の乖離である。

というわけで、個人的には手帳型など厚ぼったいケースとは疎遠になり、可能な限り"本体だけを手にした時の風合い"に近いものを求めるようになった。

……と、前振りが長いが、たどり着いたのはアラミド繊維を用いたケースだった。iPhone 15/15 Proシリーズ向け製品の話をする前に、昨年から1年間使ったケースについて、結果、どうだったかをお話ししたい。

超薄型アラミド繊維ケースの1年後

まずは写真を見てほしい。

iPhone 14 Proに装着して1年間使っていた、PITAKAブランドのMagEZ Case 3である。筆者は本体が厚ぼったくなることを好まないため、iPhone 13 Proの最後の3か月をその先代モデルであるMagEZ Case 2で過ごしていた。

PITAKAブランドは、それ以前から独自のマグネットカプリングを用いた充電機能付きケースやスタンドなどで知っていたのだが、アップルがMagSafeをiPhoneに採用してからはその対応を進めていた。

MagEZ Case 2を使った理由は、薄く丈夫で軽量なアラミド繊維のケースである一方で、MagSafeにも対応していたからだ。当時は"うちのは薄く作ってるのでMagSafeがちゃんとくっ付きますよ"というサードパーティ製ケースが多かったが、MagSafeを使ったスタンドやカーマウント、ホールド用リングなどのアクセサリは保持力が下がって使い物にならなかった。

ところがPITAKAのシリーズは磁石を製品内部にきちんと埋め込み、MagSafeに対応したというので使ってみたのだが、むしろ純正よりも保持能力が高いほどで「これなら次もMagEZ Caseにしよう」と思ったわけだ。

ところがPITAKAは全く同じデザインの後継モデルではなく、より細いアラミド繊維のシリーズを追加した。2023年モデルのMagEZ Case 4でもラインナップしている"600D"という素材グレードだ。ちなみにそれまでのものは1500Dというそうで、布でいうところの"斤量"が異なる。

数字で言えば、厚みで600Dモデルは0.95ミリ、1500Dモデルは1.15ミリと0.2ミリの違いでしかなく、重さもiPhone 14 Pro用で17グラムと19グラム、すなわち2グラムしか違わない。

一方で持った感触は大きく異なり、"本当にこれで大丈夫?"という不安感を覚えながら使い始めたのが1年前だったが、胸ポケットに入っているiPhoneを落とすこと数度、手につかなくて不意に落としたことも何度もあり、スクリーン保護ガラスがその被害を引き受けてくれたこともあっったが、ケースそのものは傷だらけになりながらも無事。

カメラレンズ保護用フレームが金属製だったことに気づいたのは、実際に何度も落としてからのことだが、カメラへのダメージもなし。極めて硬い素材のため脱着はやりにくいが、最後まで割れることも本体にダメージを負うこともなく任務を全うしてくれた。

iPhone 15/15 Pro向けでのアップデート

昔のイメージでいえば、中国のアクセサリメーカーは今ひとつ品質感に欠ける印象だったが、価格からも分かるとおりPITAKAは高級志向が強く、別途発売しているApple Watch用のカーボン+アラミド繊維バンドなども含めて、安さよりも質感やデザイン性を重視しているようだ。


アラミド繊維は薄くて丈夫、カーボンファイバープラスティックと似た質感を持つことから、日本のDeffブランドも積極採用している。筆者もDeffのDUROシリーズを愛用していたことがあった(昨年からDUROも磁性体を内蔵してMagSafeに対応しているようだ)。

ただCFRP風のテクスチャはいささか使い古された感もあり、そこに変化はない。またiPhone Proシリーズの高い質感やiPhone無印のカラーを活かしたいユーザーも多く、売れ筋は透明ケースというのが実際の販売現場のようだ。

MagEZ Caseシリーズに興味を持ったのは、そんなアラミド繊維ケースに変化をもたらしてくれるからで、MagEZ Case 2で導入された色付きアラミド繊維を使い、織柄をデザインするシリーズを投入。筆者はこの中のラプソディーシリーズが気に入って使っていた。

今年はさらにStarPeak MagEZ Case 4という新しいシリーズが追加され、山脈や天の川をイメージしたOVER THE HORIZONとMILKY WAY GALAXY、二つのテキスタイルが追加されている。筆者はこのうち、OVER THE HORIZONを使っている。

ただしこのシリーズは1500Dのみの展開だ。


さらにMagEZ Case Proという、MIL規格対応の新しいシリーズも追加。アラミド繊維のバックプレートとサイドフレームにTPU(熱可塑性ポリウレタン)を用いたバンパー機能を一体化し、本体と触れる内面にナッパレザーを緩衝材として配置することで耐衝撃性を高めているようだ。

MIL規格対応ケースは、だいたいが大袈裟なバンパーを持つが、この製品はiPhone 15 Pro用で35グラムに収まっている。実物をまだ見たことがないことに加え、1年間、600Dのノーマルケースで十分に高い保護をもたらしてくれた実績もあるため評価していないが、なるべくコンパクトなMIL規格ケースを探しているなら検討してもいいだろう。

なおカメラレンズを保護するフレーム部は、デザインが変更されており、左右非対称のデザイン性は好みとして、機能的にもポケットに出し入れする際の引っかかりが少なくなった。


来月には、超タイトな革製MagSafe対応ケースも登場予定

ところでアラミド繊維ケースを使う以前は、革をインモールド整形したケースを使っていた。TFPのモールドケースに本革を一体化させるため(アップル純正にもあったが)、厚ぼったくなるのが弱点だ。

そんな中で、日本に代理店ができたばかりのn man nという台湾ブランド(先日、MacBook Air用ケースで話題になったばかりだ)の、極めてタイトに作り上げた革製ケースが気になっていた。ただし、現在のラインナップでMagSafe対応モデルはない。

このブランドのiPhoneケースは、手間をかけて薄くなめしたカーフレザーをiPhone本体と同じ形状の型を使い、職人がクロスステッチで締め上げて作り上げていくという、実に手間のかかる作業で作られている。

表面部は100%本革だが、前面にはミニマルなフレームが埋め込まれており、画面と側部はしっかりと保護しつつ、本革の風合いを活かせるというもの。本体の出し入れも、とてもしやすい工夫がされていた。

Mag Safe非対応モデルでその出来の良さに惚れていたのだが、そろそろMagSafeモデルも出荷されるはずなので注目だ。iPhone 15世代とiPhone 14世代の全モデルをカバーするという。価格は全て税込8800円。

さて、随分とアラミド繊維ケースだけで筆を進めてしまったが、裸族の筆者も最近はスクリーンの保護ガラスまで使うようになっている。こちらは"貼るピタMAX"採用で、誰でも簡単に位置ずれなしで綺麗に晴れてしまう、Simplism製を使っている。



実は筆者のブラジリアン柔術への試合出場スポンサーもしてくれているブランドだが、国産、海外製含め強化ガラスの三大ブランドすべてから選べるという、実に豪胆な戦略も取っているので選び放題。気になる方は、iPhone 15/15 Proシリーズが届いた頃に調べてみてほしい。

iPhone 2023特集
《本田雅一》

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ネット社会、スマホなどテック製品のトレンドを分析、コラムを執筆するネット/デジタルトレンド分析家。ネットやテックデバイスの普及を背景にした、現代のさまざまな社会問題やトレンドについて、テクノロジ、ビジネス、コンシューマなど多様な視点から森羅万象さまざまなジャンルを分析。

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