ソニーがPS5ゲームのクラウドストリーミングサービスを開始しました。
定額サービスの最上位プラン PlayStation Plusプレミアムに加入していれば、対応のPS5ゲームを自分の本体にダウンロードやインストールすることなく、クラウドで動かしてストリーミング映像としてすぐに遊べます。
仕組みとしては、接続先が自分のPS5ではなくクラウド上のPS5サーバになったリモートプレイのようなもの。つまりはPS Now(旧サービス名称)です。
PS Plusプレミアムの特典クラシックスカタログで、互換性がないはずのPS3ゲームが一部遊べるのもストリーミングのおかげ。
PS5ゲームで対応するのは、
PlayStation Plusゲームカタログに含まれるPS5の人気タイトル:『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』『Horizon Forbidden West』『Ghost of Tsushima』など
ゲームトライアルに含まれるPS5タイトル:『ホグワーツ・レガシー』『ウィッチャー3 ワイルドハント』など
「PlayStation Plusプレミアム」加入者がPS Storeで購入したPS5タイトル:『BIOHAZARD RE:4』『原神』『Fall Guys』『フォートナイト』など
クラウドゲームは遊びたいゲームをクラウド上のサーバで動かす仕組みから、サービス側で対応したタイトルしか遊べません。
しかしPS5のクラウドストリーミングでは、PS Plusの遊び放題カタログやゲームトライアルに含まれるタイトルだけでなく、それ以外のPS Store購入タイトルにも(すべてではないものの)対応します。
最近のゲームはインストールサイズが100GBを超えることもあり、ダウンロードには時間もストレージ容量も必要ですが、ストリーミングならカタログを眺めていて気になったゲーム、ストアで買ったばかりのゲームを、(ローカル動作より映像遅延はあるものの)いきなり遊べます。
仕様としては、回線速度に応じて720p(要5Mbps接続)から4K(要38Mbps以上)まで、60FPS、HDR、7.1chオーディオにも対応。
クラウドゲームの技術的な特性のひとつは、クラウド上でゲームを動かすサーバと、手元でストリーミング映像として映す(コントローラ入力を送り返す)クライアント端末が独立していること。
クライアント側は基本的にはネット動画が見られる程度の性能+アルファがあれば足りるため、最新ゲーム機やモンスター級ゲーミングPCでなければ動かない豪華なグラフィック設定の映像を、(若干の遅延とネット帯域と引き換えに)非力なスマホやタブレット、スマートテレビ等で動かすことも原理的には可能です。
実際にNVIDIAのGeForce NowやマイクロソフトのXboxクラウドゲーミングなどは、クライアント側がスマートフォンやテレビでも遊べることを売りにしています。
一方、PS5のクラウドストリーミングが遊べるのはPS5本体からのみ。ダウンロードを待つことなくすぐ試せる意義はあるものの、「PS5がなくてもPS5ゲームが遊べる」にはなっていません。
思えばソニーは旧サービスPlayStation Nowを2014年にデモ公開するなど、クラウドゲームには先進的に取り組んできました。PS Now時代はPCやブラビアにも対応機種を広げていたものの、畳んでしまった過去があります。
今回、PS5タイトルのクラウドストリーミングは「サービス開始の時点では」PS5本体でのみ利用可能との表現なので、いずれはリモートプレイのようにPCやモバイル端末、そしてPlayStation Portalリモートプレーヤーでも遊べることに期待したいところです。