Netflixは10月18日(現地時間)、2023年第3四半期の決算を発表し、そのなかで米国、英国、フランスでベーシックプランとプレミアムプランの値上げを発表しました。価格改定は即日実施されています。
米国での価格は、ベーシックプランが9.99ドルから11.99ドル、プレミアムプランが19.99ドルから22.99ドルになります。広告付きスタンダードプラン(6.99ドル)とスタンダードプラン(15.49ドル)に変更はありません。
米国では、2019年1月、2020年10月、2022年1月と約1年ごとに値上げが続いていましたが、今回は約2年と期間があきました。
ただ、2022年11月には新プランの広告付きベーシックが導入され、23年4月には広告付きスタンダードへと改定されるなど、料金プランに関する取り組みは続けられていました。
Netflixによると、期間があいた理由はアカウント共有の取り締まり強化に伴う追加料金の導入があったからとのこと。
日本では導入されていませんが、追加料金(米国では1人あたり月額7.99ドル)を支払うことで、スタンダードプランなら1名、プレミアムプランなら2名の別世帯のメンバーともアカウントを共有できるオプションです。
取り締まり強化と追加料金の請求に伴うキャンセルは、予想を上回る低水準で推移しており、多くのユーザーが正会員に移行したとのことで、第3四半期の会員数の純増は880万人(前年同期は240万人)と大幅増。
その結果、どの地域でも収益はプラスになったとしています。なお、売り上げは、前年同期7.8%増の85億4200万ドル(約1兆2800億円)です。
2022年第1四半期には会員数が初の減少に転じ、低迷が報じられていましたが、広告付きプランやアカウント共有の取り締まり強化などの施策が効果をあげてきたようです。特に広告付きプランの伸びが顕著で、第3四半期の広告付きプラン加入者は前四半期から約70%増、広告配信国12か国の新規登録者の約30%を占めているといいます。
この要因の1つとして、米国、英国、イタリア、カナダでの、ベーシックプランの新規登録終了をあげています。これにより、広告付きプランやスタンダードプランの加入が促進されたとのこと。
このため、来週には日本、ドイツ、スペイン、メキシコ、オーストラリア、ブラジルでもベーシックプランを廃止する予定だとしています。
なお、来月には広告付きプランでもダウンロードを導入するなど、機能改善に努めるともしています。