Nothing Technologyは11月17日にリリースした、AndroidでAppleのiMessageが利用可能になる「Nothing Chats」をGoogle Playストアから取り下げました。取り下げた理由については、「いくつかのバグを修正するため」としています。
このアプリ、iMessageでしばしば話題になるグリーンバブル問題を解決できるというのが大きなアピールポイントになっています。
機能的には、提携した米メッセージスタートアップSunbirdのサーバーを経由し、そこにあるMacにApple ID(iCloud資格情報)でログインしてメッセージを送受信する仕組み。当然、NothingやSunbirdにメッセージを見られてしまうという懸念がありますが、これについては、メッセージはエンドツーエンドで暗号化されておりNothingやSunbirdは見ることができないと説明していました。
ただ、リリースされたNothing Chatsのベータ版をTexts.comが解析したところ、実際にはエンドツーエンドで暗号化されておらず、画像を含むすべての添付ファイルも平文で送信されていたと指摘しています。
また、すべてのメッセージはFirebase クラウド同期サーバーを経由されており、暗号化されていない平文で保存されているとのこと。このため、Sunbirdがユーザーのメッセージにアクセスできるとしています。
こうした指摘を受けてか、NothingはアプリをPlayストアから削除し、「Sunbird と協力していくつかのバグを修正するため、追って通知があるまでリリースを延期します」とXに投稿しました。
そうこうしているうちに、AppleがRCSのサポートを表明。2024年後半と少し先にはなりますが、Android相手でもiPhoneに近い豊富な機能を利用できるようになります。
ただ、吹き出しの色自体は、変わらず区別される可能性が高いので、Nothing Chatsのようなアプリの需要がなくなるわけではなさそうです。
今回の件が本当にバグだったのか、問題ないつもりで出したものの指摘されて慌てて引っ込めたのかは定かではありませんが、iMessageのグリーンバブル問題、そしてメッセージングのセキュリティについて注目を集めたという点では、一定の役割は果たしているのかもしれません。