ここ数年のフラッグシップiPhoneは顔認証のFace IDのみ採用しており、かつての指紋認証技術Touch IDは搭載していません。
2024年の「iPhone 16」シリーズではTouch IDが復活するとの噂もありましたが、その可能性は極めて低いと、未発表のApple製品情報について実績ある著名リーカーが主張しています。
この予想は、中国Weiboユーザーの手机晶片达人氏が述べていることです。同氏はiPhone 14シリーズがProモデルのみ当時の最新チップA16 Bionicを搭載するといち早く言い当てた人物。的中率は100%ではありませんが、過去の例からある程度の信憑性はあります。
新たな投稿で手机晶片达人氏は、次期iPhone(iPhone 16)が指紋認証を採用する予定との噂に言及。iPhone用のTouch IDに必要なチップを製造していた設備のほとんどは操業停止していると指摘し、アップルは基本的に指紋認証を使わない方針だと述べています。
現在Touch IDを採用したモデルはiPhone SE(第3世代)のみですが、それに必要な分しか製造する施設がなく、少なくともボタン内蔵型での復活はあり得ないとの主張です。
一方で、iPhone SEの第4世代モデル、通称「iPhone SE 4」がiPhone 14ベースとなりFace IDを採用すること、つまりホームボタンがなくなりTouch IDを廃止する予想は複数のソースが繰り返し伝えてきました。
指紋認証については、アップルが画面内Touch ID、つまり画面の裏側に指紋センサーを埋め込む形で復活を検討しているとのうわさは、複数の識者らが主張しています。
たとえばアップルの内情に詳しいBloombergのMark Gurman記者は、Appleは社内で画面内Touch IDと、最近のiPad miniやiPad Airのように電源ボタンに指紋認証センサーを統合する形の2通りをテストしたと主張。また著名リーカーyeux1122氏は「最近、アンダーディスプレイ内蔵型(画面内)Touch IDの開発に一部成果があった」と述べていました。
しかし、Gurman氏は今のところ(2022年10月時点)フラッグシップiPhoneにFace IDのみ搭載される方針は変わらず、Touch IDは「少なくとも予見可能な将来」では戻ってくる見込みはないと付け加えています。
さらに、アップルのサプライチェーン情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏も、以前はiPhone 15シリーズが画面内Touch IDを搭載すると主張していたものの、少なくとも2024年モデルに採用する可能性は低いと軌道修正しています。
アップルはFace IDの高度なセキュリティを強調しており、新型コロナ禍のもとで一時は弱点となった「マスクを着けたままでは顔認証できない」もiOS 15.4以降で克服済みです。
とはいえ、競合するサムスンのGalaxy S23シリーズは、顔認証と指紋認証の両方に対応しています。スマートフォン市場での風向きによっては、フラッグシップiPhoneにTouch ID復活もあり得るのかもしれません。