ソニーは、米国のPlayStationストアでディスカバリーの番組を購入したユーザーに対して、12月31日以降に観られなくなり、ビデオライブラリからも削除すると発表しました。
その理由は「コンテンツ・プロバイダーとのコンテンツ・ライセンス契約による」とのことで、それ以上の詳細は明かしていません。
PlayStationストアでは2021年8月末に、映画およびテレビコンテンツの購入・レンタルが終了していますが、その後も、購入済みのコンテンツはビデオライブラリ内にあり、視聴することができました。
デジタルストアの購入機能を廃止後、購入済みのコンテンツをどう扱うかについては、各プラットフォーム毎に違いがあります。
例えば、任天堂は今年初めにニンテンドー3DSとWii U向け「ニンテンドーeショップ」の購入機能を停止しましたが、過去に購入したゲームはそのままプレイでき、再ダウンロードも可能です。
そのことを前提に、ビデオゲームの歴史保存を兼ねて、サービス停止前に全ダウンロードタイトルを購入したYouTuberもいました。
当然ながら、今回の通知をコンテンツ購入済みのユーザーが大歓迎するわけもありません。「全額返金を即刻要求する」との声もあがっています。
こうしたデジタル製品の購入について、米FTC(連邦取引委員会)は8月にブログにて見解を発表。「何を本当に所有し、管理しているのかは必ずしも明確ではない。このような明確性は、一般的にFTCの消費者保護管轄の範囲外である知的財産権に左右されることが多い」として、合法性はケースバイケースで判断するしかないと示唆しています。
さらに「書籍、音楽、映画、ゲームなどのデジタル製品を提供する企業は、消費者がそれらの製品を“購入”できると言いながら、実際には楽しむための限定的で取り消し可能なライセンスを取得しているに過ぎないことが多い」として「そうした商品へのアクセスが突然なくなって驚いた人もいる」と述べています。
つまり、デジタル製品を“購入”しても所有権はなく、いつライセンスを取り消されてもおかしくない場合が多いということでしょう。
今回のような事例が今後もあるとすれば、非デジタルの物理メディアや光ディスク、紙の本の価値見直しが進んでいくのかもしれません。