1月16日、Chromeの将来のバージョン候補となるCanary版のバージョン122.0.6251.0で、シークレットモードのウィンドウを開いたときに表示される注意喚起の説明文が変更され、シークレットモードを使用していてもGoogleやウェブサイトがユーザーのアクティビティに関する情報を収集しているとする内容に変わっていることが分かりました。
説明文はAndroid、Windows、およびその他のプラットフォーム上のCanary版Chromeで、新しいシークレット タブ/ウィンドウを開くと表示されます。
更新前には、「このデバイスを使用している他のユーザーにアクティビティを見られることはありません。ただし、ダウンロード、ブックマーク、リーディングリストの項目は保存されます」と記されていました。
今回のCanary版では「このデバイスを使用している他の人があなたの行動を見ることはありません。よりプライベートなブラウジングが可能になります。これはGoogleを含め、あなたが訪問したウェブサイトやサービスなどが使用するデータ収集方法を変えるものではありません。ダウンロード、ブックマーク、リーディングリストの項目は保存されます」に変わっています。
変更された文章によれば、ユーザーはシークレットモードを使用しても、Googleやウェブサイトなどのサービスにデータが収集されている場合があるということになります。
この変更は昨年の暮れ、GoogleがChromeブラウザーがシークレットモードでもユーザーのアクティビティを追跡していたとして起こされていた50億ドルの賠償を求める訴訟で和解したことをきっかけに行われたと考えられます。
この訴訟において、原告はGoogle AnalyticsやAd Managerを使用しているサイトが、シークレットモードのChromeブラウザーから閲覧しているウェブページのコンテンツ、デバイス情報、IP アドレスなどの情報を収集していたと主張していました。
そして8月にGoogleが略式裁判での審理を求めた際、判事は「Googleの申し立ては、シークレットモードでブラウジングしている最中もデータを収集することに原告が同意したとの考えに基づいているが、Googleはデータを収集していることをユーザーに明示的に伝えていない」として、申し立てを却下していました。
Gogoleの広報担当であるJosé Castañeda氏はThe Vergeなどに対し、今回の説明文の変更は「シークレットモードに関するさらに多くの情報をユーザーに提供する」ためだと説明しています。
訴訟の和解条件は公表されていませんが、おそらくは条件のなかに、シークレットモードを使用してもGoogleやウェブサイトが情報を取得する可能性があることを明確にするよう求める項目が含まれていたと考えられます。