Google が、一部 Google マップ利用者のタイムラインデータ(ロケーション履歴)を誤って削除していたことが分かりました。
影響を受けた可能性のあるユーザーにはGoogleがメールで通知し、謝罪とともに対処法を伝えています。
ユーザーがタイムラインの設定から暗号化バックアップを有効にしていた場合、復元できる可能性もあるものの、できない場合はどこを訪れたかの履歴が永久に失われたことになります。

Google マップの「タイムライン」は、ユーザーの移動履歴をマップ上で遡って参照できる機能。
タイムラインの表示に必要な「ロケーション履歴」はデフォルトで無効になっていますが、残しておきたいユーザーが設定から有効にしていた場合、カレンダーから過去の特定の日にどこを訪れたか確認したり、何年も前の旅行でどんなルートを辿りどの施設に立ち寄ったかを振り返ったり、訪れたことのある場所や地域の一覧などができます。
今回の問題について、Googleが影響を受けたユーザーに送信した「お知らせ」メールによれば、「このたび Google マップでは、一時的に技術的な問題が発生し、一部のお客様のタイムライン データが削除されたことが判明いたしました」。
削除されていた場合、もしユーザーがタイムラインのバックアップ機能を有効にしていた場合、過去のバックアップをインポートすることで(一部を)復元できる可能性があります。
タイムラインが誤削除されたかどうかの確認
影響を受けたユーザーには、Googleがメールで通知しています。件名は「Google マップ タイムラインに関するお知らせ」。
目視で確認するには、アプリ版Googleマップの右上ユーザーアイコンをタップ、メニューから「タイムライン」を選択。
「今日▼」をタップしてカレンダーから過去の日付を選択。履歴があるかどうかを確認。
Googleは昨年タイムラインの仕様を変更し、クラウド保存ではなくデバイスごとのローカル保存に切り替えたため、ごく最近の履歴が残っていても、スマートフォンを変更したタイミングや、ローカル保存に消え変えたタイミング等で過去が欠落している可能性もあります。
バックアップからの復元方法

復元の手順は、モバイルアプリ版 Googleマップ の右上ユーザーアイコンから「タイムライン」を選び、画面上部のクラウドバックアップアイコン(雲に↑矢印)をタップしてバックアップの一覧を表示。「…」メニューからインポートを選択。
複数のバックアップがある場合、「すでに一部が削除された状態のバックアップを復元して、デバイスに残っている履歴を消してしまわないか」が心配になりますが、同じ日の訪問地とルートが残っている場合はインポートしない仕様と説明があります。
バックアップを有効にしていなかった場合「大変申し訳ございませんが、失われたデータを復元することはできません」(Google)。有効にしていても、タイミングによって一部の履歴しか復元できないこともあり、その場合も消されたデータは戻ってきません。
Googleは昨年タイムライン / ロケーション履歴の仕様を変更し、以前のクラウド保存から、原則として端末ごとのローカル保存+暗号化バックアップも選択可能にしていました。
もし今回の誤削除の影響を受けて履歴が削除されてしまい、復元もできなかった場合、ユーザーによっては10数年分の旅行や移動、訪れた場所の記録が吹っ飛んだことになります。

なお、タイムライン データをGoogle や端末ローカルに頼らず残しておきたい場合、ファイルとしてエクスポートすることもできます。
Googleマップ アプリのタイムライン画面右上の「…」メニューから「位置情報とプライバシーの設定」を開き、「タイムラインデータをエクスポート」を選択すると、 .json ファイルをダウンロードできます。
この履歴ファイルは日時や緯度経度、GoogleマップのロケーションIDなどを並べた平文。別のアプリに取り込んだり、加工して別の用途に使うこともできます。