アップル、HomePodの新モデルは曲名表示などディスプレイつき? tvOSから未発表デバイスの痕跡見つかる

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Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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アップルがスマートホーム事業をテコ入れすべく、ディスプレイ付きHomePodを開発中であるとの噂は、複数の情報源が何度も伝えてきたことです。

現行のHomePod(第2世代)にもカラフルな色のパターンを表示してSiriの応答などステータスを伝えるなど、一定のビジュアル表現能力はあります。

新製品でテスト中とされるディスプレイとは、アニメーションや曲名を表示するなど、スマートフォンやタブレットの画面に近いものです。


昨年春頃に、アップル社内でtvOS 17.2を改造iPad mini上で動かしている手がかりが見つかり、そこから約8インチの液晶画面を備えたHomePodを準備しているとの推測が浮上していました

なぜ、本来はApple TV用システムソフトウェアであるtvOSがHomePodと関係あるかと言えば、最近のHomePod用OSはtvOSをベースとしているからです。

そして今度はアップル関連情報サイト9to5Macが、最新のtvOS 17.4ベータ版からディスプレイ付きHomePodとなりうる未発表デバイスの証拠が見つかったと主張しています

今回の報告は、ざっと次の通りです。

  • 最新のtvOS 17.4ベータ3内のコードから、「Z314」と呼ばれる新デバイスの存在が判明

  • HomePodで動作するバージョンのはずが、ユーザーインターフェイス(ディスプレイ)を備えている

  • 「Z314」は、iPad mini(第6世代)と同じA15 Bionicチップを搭載している

  • コードを解析した結果、このデバイスには内部開発版とテスト中の製品版があった。これは「開発が高度な段階」に達している可能性を示唆している

  • tvOS 17.4ベータ3にはHomePodファームウェアにSwiftUIフレームワーク(グラフィカルなUIを構築)を追加

  • さらにhangtracerd(iOSアプリで応答しないUIをデバッグするため使われるシステムツール)も追加

  • これらから、アップルが改造版iPad mini 6でtvOSを動かしていると推測できる

要は、アップルが約8インチ画面つきのHomePodがどう動くかを探ってきたと推測しているわけです。

こうした分析は、アップルの未発表製品に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏が予想した「7インチ画面搭載のHomePod」とほぼ符合しています。


10インチ未満の画面付きスマートディスプレイ(スマートスピーカー)としては、すでにAmazonのEcho ShowシリーズやGoogleのNest Hubシリーズが世に出ています。逆にいえばアップルのスマートホーム製品に欠けていたフォームファクタであり、投入しても不思議ではなさそうです。

ただし、先日登場していた「液晶ディスプレイ付きHomePodの試作機」と称する画像は、iPad miniとはかけ離れていました。


またアップルが量産間近まで試作品を完成させておきながら、発売を見送ることもあり得るでしょう。実際、正式に発表していたワイヤレス充電マットAirPowerを発売中止にした前例もあり、続報を待ちたいところです。


《Kiyoshi Tane》
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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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