マイクロソフトは、Webブラウザ上で2Dや3Dモデルの高速なレンダリングなどを可能にするオープンソースのJavaScriptライブラリ「Babylon.js」の最新版「Babylon.js 7.0」正式版をリリースしました。
Babylon.jsは、2022年にリリースされたバージョン5.0で、GPUを用いて高速な描画を行う最新のWeb標準であるWebGPUにフル対応し、2023年に登場した6.0ではWebAssembly化した物理演算ライブラリによる物理演算性能の大幅な向上などを実現してきました。
今回のBabylon.js 7.0ではこれらを基盤とした多くの新機能が追加されています。
Babylon.js 7.0の主な新機能
「Introducing Babylon.js 7.0」から、主な機能の紹介を引用します。
MMD(MikuMikuDance)のサポート
Babylon.js 7.0では、キャラクターの3Dモデルとして広く使われているMMD(MikuMikuDance)のインポートと利用を可能にするMMDローダーとランタイムが追加されました。IKソルバ、オーディオ同期再生、プレイヤーコントロールなどの機能も用意されています。
Apple Vision Proのサポート
Appleが発売した空間コンピュータデバイスのApple Vision Proをサポートしたことも発表されました。
Apple Vision ProでSafariブラウザを開き、Babylon.jsで描画した3Dワールドを閲覧可能です。
Procedural Geometry (Node Geometry)
プロシージャルジオメトリは、実行/ビルド時に複雑なジオメトリを作成する機能を提供することで、エンドユーザーが大きな3Dアセットをダウンロードする必要をなくし、代わりにローカルマシンのCPUでこれらのアセットを作成します。これにより何百メガバイトもの3Dアセットではなく数キロバイトのNode Geometryデータのダウンロードで済みます。
Global Illumination
光と影のバウンスがより現実に近い形で行われることで、さらにリアルなレンダリングを可能にします。
Gaussian Splat Rendering
現実世界を忠実にキャプチャし、表示する先進的な手法であるGaussian Splat Renderingをサポートし、60fpsで表示可能に。
WebXRサポート
フルスクリーンGUI、タッチ可能なUI要素、ワールドスケール、アンチエイリアス化されたマルチビュー、手とコントローラーの同時使用など、新しいWebXR機能のサポートを追加したことでWebXRのフルサポートを維持しています。
その他多くの新機能については「Introducing Babylon.js 7.0」をご覧ください。