WordPress.comを運営するAutomattic社が、「Android版 iMessage」で注目を集めたメッセージングサービス Beeperを買収しました。同社は画像SNSのTumblrも傘下に収めており、今回の買収では1億2500万ドルを支払います。
Automatticは、Beeperの共同創業者エリック・ミギコフスキー氏を含めた27人も吸収。ミギコフスキー氏はAutomatticのメッセージング部門責任者となります。
Beeper Miniは以前、アップルが自社製品に提供するメッセージサービス iMessage のプロトコルを解析して、Androidユーザーが iPhoneユーザーにiMessageと同じ「青い吹き出し」テキストを送ることを可能にしていました。ほか、既読通知やタイピングインジケーター、エンドツーエンドの暗号化など、iMessageの機能が Androidでも使えることを売りにしていたことで知られています。
その後、アップルが「ユーザーを守るため」としてブロックして以降はイタチごっこが続き、Beeperは脱獄したiPhoneを使った方法を(脱獄iPhoneの販売・レンタル込みで)提供したものの、最終的に断念しています。
今回の買収について、ミギコフスキー氏はBloombergの取材に応じ、アップルとの戦いにも言及。「Beeperの認知度と注目度を高めるのに役立ち、この分野での味方が誰かを知る必要があることを実証しました」と述べています。
またAutomattic社については「大企業だが、ビッグテック企業とは違う」「インターネットをオープンソース化するための、オープンソース・インフラを構築する方法を知っています」とコメント。要はアップルのようにクローズドな企業とは違うと示唆しているようです。
一方アップルは、2024年内に自社のメッセージアプリを業界標準規格RCS対応にすると表明済み。
これによりAndroidとのやり取りでも既読通知やグループチャット機能、高画質の画像や動画の送受信など、以前Beeper Miniが目指したものがほとんど実現する見通しです。