アップルが空間コンピュータ(MRヘッドセット)Apple Vision Proを米国で発売してから、3カ月以上が経過しました。それ以外の国や地域では「2024年内」とだけ述べ、具体的な出荷予定日に関して公式アナウンスは未だにありません。
そんななか、アップルが6月に世開発者カンファレンスWWDCを開催した後に、日本で発売する予定だと米Bloombergが報じています。
アップルの内部事情に詳しいMark Gurman記者は、WWDC後にVision Proの海外展開(米国外での販売)が始まると主張。その中には日本、中国、韓国、シンガポール、カナダ、オーストラリア、イギリス、フランス、ドイツが含まれると述べています。
アップルがVision ProをWWDCの前後に日本等で発売することは、複数の識者が予想し、それを裏付ける数々の手がかりも見つかっていました。
まずアップルのサプライチェーン情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏は、WWDC前に米国外でリリースする可能性が高いと主張。
その理由を手短にまとめると、1) visionOSの全世界的な開発エコシステムを促進することに役立つ、2) その頃にはVision Proの供給不足が解消し、各国での規制に準拠するためのアルゴリズム修正が完了する見通しのためです。
Kuo氏は続報として、米国内でのVision Proの需要が予想以上に減速していると報告していました。
さらに3月、アップルは日本やオーストラリア、中国でVision Pro関連の求人情報を公式サイトに掲載。そこでは企業向けにVision Proの機能をデモンストレーションする役職を募集していました。
それを裏付けるように、5月半ばには米国以外の市場でVision Pro販売を始める準備を進めているとの報道もあり。海外店舗から数百人のスタッフを本社に招集し、顧客向けのデモ方法を4日間かけてトレーニングしていると伝えていました。
また数日前には、Vision Proが中国の強制製品認証免除証明書(中国への輸入・販売に必要)を取得しています。
ほか、visionOSのコード内からバーチャルキーボードが日本語や中国語、英語(オーストラリア/カナダ/英国)ドイツ語等に対応する手がかりも見つかっていました。記事執筆時点では、visionOSのキーボードは英語(米国)と絵文字しか対応していません。
これほど状況証拠が積み重なれば、まもなく日本を含めた各国で、まもなくVision Proが発売される可能性は高いはず。が、米国で発売された2月から円安はさらに進んでおり、5月20日時点では3499ドル=約54万5000円となっています。日本での価格について、続報を待ちたいところです。