「ロックマンワールド」全5作がニンテンドースイッチOnlineに追加配信。ゲームボーイで遊べるシリーズの進化を追体験 (全作解説)

ゲーム Nintendo
Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

任天堂は、定額制サービス「Nintendo Switch Online」の加入特典として遊べるレトロゲームに、ゲームボーイ用ロックマンシリーズ「ロックマンワールド」全5作を一挙に追加配信しました。

「ロックマンワールド」は、基本的には1~4まではファミコン版の『ロックマン』がベース。ボスキャラは2つのナンバリングタイトルから4体ずつ選抜×2=8体+オリジナルキャラという構成であり、当時はロックマンを携帯機で楽しめる上に新規要素もあることが好評を呼んでいました。

■ ロックマンワールド(CAPCOM)

(▲画像:『ロックマンワールド』スクリーンショット)

1991年に発売された、「ロックマンワールド」シリーズの第1作。主人公のロボット「ロックマン」を操作して、世界征服をたくらむ「Dr.ワイリー」が率いるロボットたちと戦います。

各ステージのボスはそれぞれ特殊な武器を持ち、彼らを倒せばロックマンがその武器を入手できます。

あるボスの武器は他のボスに対して弱点(大ダメージが与えられる)となっており、使い分けで戦いを有利に進められることも本家のファミコン版と同じ。

基本システムはファミコン版の初代がベースであり、スライディングはナシ。ボスのうち4体は専用の道中ステージがあるものの、残り4体はボスラッシュのように「対決があるだけ」となっています。

■ロックマンワールド2(CAPCOM)

1991年に発売された「ロックマンワールド」シリーズ第2作。ストーリー的には前作の続編であり、ロックマンに敗れたDr.ワイリーが、タイムマシンを使って未来のロックマンを現代に連れ戻し、改造して手下の「クイント」にするというもの。

ボスキャラはファミコン版の「2」および「3」からピックアップ。基本システムは「3」がベースでスライディングが可能となり、相棒のロボット犬「ラッシュ」も参戦。ロックマンの顔とも言える体力回復アイテム「E缶」も登場しています。

さらに8体のボス全てに専用ステージが用意され、携帯ゲーム機版ロックマンでも多くのステージが遊べるようになりました。鳴り物いりのはずのクイントの扱いは……そこは実際にプレイして確認してください。

■ロックマンワールド3(CAPCOM)

1992年に発売されたシリーズ第3弾。またしても世界征服を企むDr.ワイリーを倒すため、スライディングに加えて溜め撃ちも可能となったロックバスター(基本武器)を駆使してロックマンが活躍します。

今回の基本システムは「4」をベースとしており、ボスキャラは「3」および「4」からチョイス。スライディングの操作感もファミコン版と近くなり、BGMも原曲をほぼ忠実に再現しています。

お助けキャラとしてはラッシュのほか、ステージ途中でアイテムをくれる「エディー」も新たに登場。クリア後のステージに再挑戦も可能となり、強敵に備えてE缶の補充もしやすくなりました。

■ロックマンワールド4(CAPCOM)

1993年に発売されたシリーズ第4弾。世界ロボット博覧会でロボットたちを暴走させたDr.ワイリーが、再び世界征服の野望に乗り出します。ボスキャラ勢は「4」から4体+「5」から4体+本作オリジナル1体という構成です。

今作では敵を倒すと入手できる「Pチップ」を集めてライト研究所に持ち帰ると色々なアイテムと交換できる、要はお買いものシステムが追加。

ステージを巡回することなくE缶など回復アイテムを入手できるようになり、攻略時間が減るとともに「山ほどのE缶でボスステージをゴリ押し」可能となりました。

ほか「B.E.A.T」プレートを集めると、サポートキャラの「ビート」が駆けつけます。携帯ゲーム機の小さな画面に合わせてステージも遊びやすくなり、全体的に前作より難度が下がっている印象もあります。

■ロックマンワールド5(CAPCOM)

1994年に発売された「ロックマンワールド」シリーズ最終作。。Dr.ワイリーの世界征服の野望を阻止したロックマンの前に、「宇宙の支配者」を名のる敵「スペースルーラーズ」が立ちはだかる……ということで、ボスはファミコン版からの流用はなく、完全オリジナルとなりました。

これまでのチャージバスターが通用しないため、溜め撃ちは「ロックンアーム」へと変更。いわゆるロケットパンチであり、射程は短いものの、Pチップにより遠くのものを取ってくる「マジックハンド」などの強化が可能です。

サポートキャラとしてはラッシュやエディーのほか、ネコ型ロボット「タンゴ」が登場。前作のビートと入れ替わりでの参戦ですが、その独特の操作感にはボスとは別の意味で苦戦しそうです。

ともあれ、シリーズを重ねてきた集大成であることは間違いない一作。ゲームボーイの特性に合わせた進化の到達点であり、一度はプレイしておきたいところです。



《Kiyoshi Tane》

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Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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