モトローラの折り畳みスマホ razr 50発表。閉じても使いやすい大型外画面、おサイフケータイも対応 (石野純也)

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石野純也

石野純也

ケータイライター/ジャーナリスト

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

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 モトローラの日本法人にあたるモトローラ・モビリティ・ジャパンは、17日に、フォルダブルスマホの最新モデル「razr 50」を発表しました。このモデルのソフトバンク版にあたる「razr 50s」も投入されます。販売開始は、9月27日を予定しています。

 モトローラは、他社とやや異なる端末ラインナップを展開しています。一般的には、フラッグシップモデルの下にミッドレンジモデルやエントリーモデルを用意するのに対し、モトローラはプレミアムモデルを縦折りのrazrに一本化。プロセッサーの処理能力などではなく、折れるか折れないかで端末のレンジを決めるのはなかなか斬新です。

製品ラインナップの最上位にrazrを位置づけている

 実際、razr 50はプレミアムモデルという扱いながらも、チップセットにはメディアテックの「Dimensity 7300X」を採用。他社のように、フォルダブルだからSnapdragon 8シリーズというわけではなく、ミッドハイレベルの端末までプレミアムモデルに含めています。

この下に、ミッドハイが中心のedgeや、ミドルレンジのmoto gを位置づけている点は、一般的なスマホメーカーとの違いと言っていいでしょう。

 razrは、その名のとおり、フィーチャーフォン時代に(海外で)一世を風靡したRAZRシリーズがベースになっています。日本でもドコモが「M702iS」などの型番で導入しており、その薄さやエッジの効いたデザインは話題を集めました。実は筆者も、ラグジュアリーブランドの「ドルチェ&ガッバーナ」とコラボした金色のM702iSを、表参道の同ブランド直営店に並んでゲットしたことを覚えています。

 本体全体がゴールドで、ラグジュアリー感満点のコラボモデルでしたが、当時の価格は7万5000円。今のフラッグシップモデルと比べると、割と庶民的な価格設定でした。

▲フィーチャーフォン時代のRAZR。同機はドコモからiモード対応端末のM702iSとして発売された

 そんな思い出話はさておき、スマホのrazrは、スタイリッシュな折りたたみモデルとして、その名を受け継いでいます。日本では、昨年発売したソフトバンク版の「razr 40s」が、いきなり1年実質1万円以下といった価格を打ち出し、衝撃を与えました。

 razr 50/50sは、その直接的な後継機にあたります。一番の特徴は、大型化した外側ディスプレイ。昨年は上位モデルの「razr 40 ultra」が大型の外側ディスプレイを備えていた一方で、スタンダードモデルのrazr 40には1.5インチの横長な小型外側ディスプレイしか搭載されていませんでした。

▲ 左が昨年発売されたrazr 40。外側ディスプレイがultra並みの3.6インチに拡大した

 外側ディスプレイを使って閉じたまま操作できるのが売りだったrazr 40ですが、スタンダードモデルはできることがかなり限定されていました。

閉じたまま、メインカメラを使えるのも売りになっていたものの、残念ながら表示部が小さすぎたたため、実用的ではありませんでした。このディスプレイを昨年のrazr 40 ultra並みに大型化したのがrazr 50です。

 外側ディスプレイが3.6インチになったことで、撮影なども閉じたままできるようになりました。より便利だと思ったのが、当たり前のように通常のスマホ用アプリを起動できること。これは、razr 40 ultraもそうでしたが、razrシリーズは外側ディスプレイにインストールしたアプリをきちんと表示できます。

マップのチェックもスムーズにできる

 移動中にマップで現在地を確認したり、ボイスレコーダーで録音したりするときに、わざわざ端末をパカッと開くのは少々面倒。閉じたままでもその操作ができてしまえば、その手間がかかりません。

PayPayのコードを表示するといったこともお手の物。ここまで外側ディスプレイが大型化してくると、逆に開いて使う場面がかなり少なくなりそう……と感じました。

▲ 録音のために端末を開く必要もない

▲GoogleのAIアシスタント、Geminiにも対応。これも閉じたまま利用できる

 大型の外側ディスプレイを搭載した端末と言えば、サムスン電子の「Galaxy Z Flip6」などがおなじみですが、残念ながら、Galaxyではアプリの使用が制限されています。カスタマイズツールでそれを開放することも可能なものの、一般ユーザーにはややハードルが高め。閉じたときの使い勝手については、razr 50/50sに軍配が上がります。

 23年に発売されたrazr 40 ultraでも同様のことはできましたが、ノーマルモデルになったことで、価格がこなれてくるのは大きなポイント。razr 40sと同様、衝撃プライスでフォルダブルスマホの普及に一役買ってくれることを期待しています。

オープンマーケット版のMOTO Store価格は13万5800円。ソフトバンク版の razr50s は、48回払いを13か月めに返却(下取り)することで、1年間の機種代金36円+「早トクオプション」1万9800円(+「あんしん保証パック」1年分)になる購入サポートプランを提供しています。

 また、razr 40 ultraはオープンマーケットに投入先が限定されており、日本市場向けのカスタマイズが施されていませんでした。痛かったのは、FeliCa非搭載でおサイフケータイに対応していなかったこと。大型の外側ディスプレイとFeliCaが両立していなかったというわけです。この2つがそろったという意味でも、razr 50/50sの価値はあります。

 一点不可解だったのが、17日に日本で発表されたのがrazr 50/50sだけだったこと。グローバルでは上位モデルの「razr 50 ultra」も同時発表されていましたが、現時点では、日本発売のアナウンスがありません。昨年は2モデルとも投入していただけに、今後、ラインナップが追加されるのかは気になるポイント。いわゆるハイエンドモデルを求めているユーザーには、ultraの方がいいだけに、FeliCa搭載も期待したいところです。

▲ 海外では、ヒンジギリギリまで外側ディスプレイを広げたrazr 50 utlraも発表されている。日本導入も期待したい

《石野純也》

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

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