高コスパで話題のシャオミ「Redmi 14C」はチップセットにメディアテックHelio G81-Ultraを採用した4Gスマートフォンですが、しっかりとしたつくりの本体とデザイン、とくにセージグリーンモデルはヴィーガンレザー背面仕上げと上質感すら味わえます。ディスプレイ解像度は1600×720ドット、最小メモリ 4GBと非力な部分もありますが、エントリーモデルとして、また、サブ用途には十分です。
1万7980円(4GBモデル)という安さは大きな魅力ですが、5Gネットワークが拡大した今、4Gのみというのはやや物足りなさは否めません。海外へ出かければ日本の周囲は韓国、中国、台湾、香港と、どの国も5Gエリアは充実しています。ぜひ、5Gモデルが欲しいところ……。
実は、Redmi 14Cの5Gモデルは存在するんです。中国で販売されている「Redmi 14R 5G」がそれです。「R」の文字が付いているのは、5G以外のスペックを下げた(Reduced)という意味なのかもしれません。Xiaomi 14R 5Gはチップセットに5G対応のクアルコム Snapdragon 4 Gen 2を採用、ディスプレイやバッテリー(5160mAh)は4Gモデルと同じですが、メインカメラは1300万画素(Redmi 14Cは5000万画素)、フロントカメラは500万画素(Redmi 14Cは1300万画素)とスペックダウン。外観以外の違いは、メインカメラ部分の大きな文字が「50MP」から「AI CAM」になっていること、背面のRedmiロゴの下に「5G」の文字が入っています。
Redmi 14R 5GはRedmi 14Cと同じサイズなので、ケースなどのアクセサリは流用できます。Redmi 14Cの5G版が欲しい人向けのモデルですが、中国販売品なのでグーグルサービスが入っていません。
惜しい……と思っていたら、グーグル入りの「5G版14C」がインドで1月に発売されました。その名もズバリ「Redmi 14C 5G」です。メインカメラは5000万画素と日本で手に入るRedmi 14Cと同等、フロントカメラは800万画素にダウンしてますが、そのほかの性能はRedmi 14Cと同じです。
気になる価格ですが、4GB+64GBモデルが9999ルピー(約1万8000円)、4GB+128GBモデルがが1万999ルピー(約2万円)、6GB+128GBが1万1999ルピー(約2万2000円)となっています。
インドでは、これとほぼ同型の「Redmi A4 5G」も先に売られていたんです。メインカメラは5000万画素、フロントカメラは800万画素とスペックもほぼ同じでRedmi 14C 5Gよりも安く、4GB+64GBが8499ルピー(約1万5000円)、4GB+128GBが8999ルピー(約1万6000円)と、とにかく安い。
なぜ、わずかな価格差で似たようなスペックのモデルを連発するのか? 理由は、インドではこのクラスの製品の競争が非常に激しいからです。もちろん、低価格な4Gモデルもまだたくさん売られていますが、インドは世界でもトップクラスのモバイルデータ消費大国であり、5Gスマートフォンへの移行が急速に進んでいます。サムスンもAシリーズだけではなくMシリーズ、Fシリーズとエントリーからミドルレンジを強化しており、500ドル以下の価格の安いモデルが人口に比例し大量に売れています。
カウンターポイントの調査を見ると、インド市場の競争の激しさは明白で、サムスンは2023年の1位から2024年には3位へ転落、vivoが1位、シャオミが2位ですが、あとに続くOPPO含め、シェアは僅差です。アップルが上位に入っていないのは当然で、iPhone SEクラスの製品ですらインドでは高価すぎます。このクラスのRedmi端末は、インドでシャオミのシェアを底上げし、維持するために続々と投入されているわけです。
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