招待コードが高額取引されてる新星AIエージェント「Manus」、OpenAI deep research超えの性能示す(生成AIクローズアップ)

テクノロジー AI
山下裕毅(Seamless)

2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にして紹介しているWebメディアのSeamless(シームレス)を運営し、執筆しています。

特集

1週間の気になる生成AI技術・研究をいくつかピックアップして解説する連載「生成AIウィークリー」から、特に興味深いAI技術や研究にスポットライトを当てる生成AIクローズアップ。

今回は、3月5日にリリースされ中国で話題になっているAIエージェント「Manus」に注目します。

現在、クローズドベータ版としてリリースしており、プロジェクトページからメールアドレスを入力して申請する招待コード制で利用できます。執筆現在、利用したい人が殺到しており、招待コードがプレミア化しています。

アリババグループが運営する中古品のオンラインマーケットプレイス「闲鱼」では、招待コード販売者が大量に現れています。検索すると、高額で販売しているユーザーが多数でてきます。真偽不明なため購入は控えた方がよいですが、それだけ過熱していることを表しています。

▲Manusの招待コードを闲鱼で販売するページのスクリーンショット

Manus はこれまでの言語モデルとは異なり、単なる情報提供やタスクの指示ではなく、実際に人が作業するようにタスクを最後まで完了します。ユーザーの指示を受けてコンピュータを直接操作し、検索して調べ、レポートの作成やコードの生成など最終的に成果物をエクスポートします。

またクラウドによる非同期で動作するため、オフラインでも実行可能でタスクが完了すると通知してくれるといいます。

Manusは、GAIAベンチマーク (AIアシスタントの実用的な問題解決能力を評価するためのベンチマーク) でSOTA(現時点での最高の)結果を達成し、OpenAIのdeep researchなどの競合他社を上回ったといいます。

▲Manusが提示する他社モデルと比較したGAIAベンチマークの結果

プロジェクトページでは、さまざまなユースケースがプロンプトやプロセス含めて紹介されています。

日本への7日間旅行プラン生成、テスラ株の徹底分析、中学で教える運動量保存の法則のプレゼン資料生成、保険プランの比較、オンラインストアの売上分析と戦略、ホワイトハウスでのゼレンスキー氏とトランプ氏の討論会をベースにしたインタラクティブゲームの生成、マヤ文明と古代エジプト文明の架空の交流を描いたファンタジー脚本の生成などです。

その他にも、ユーザーが試したケースが多数掲載されています。

Manus AIの創業者兼CEOは1992年生まれの肖弘。彼は2022年にMonicaというブラウザの拡張機能を開発しています。これは、OpenAI o3-mini、DeepSeek R1、GPT-4o、Claude 3.7、Gemini 2.0などの主要AIモデルを統合したオールインワン型のAIアシスタントです。

▲すでに日本語ページもできている

《山下裕毅(Seamless)》

山下裕毅(Seamless)

2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にして紹介しているWebメディアのSeamless(シームレス)を運営し、執筆しています。

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