Googleと同じAlphabet傘下のドローン配送企業 Wing が、小型・大型のドローン試作機2種を公開しました。
すでにサービスを提供中の「ハミングバード」がホバリング用に12基+巡航モードの推進用に4基で計16基のローター(回転翼)と固定翼を備えるのに対して、小型の試作機は4+3で7基、大型は24+4で28基のローターを搭載します。
Wing いわく、効率的なドローン空輸には様々な目的や環境、ペイロードに最適化した多様なドローンが必須。すでに25万回以上の配送を実現したハミングバードと同じ推進システムやソフトウェア、素材、アビオニクスを元に組み替えて開発するシステムと多様なドローンのラインナップを「エアクラフト・ライブラリ」と名付けています。
Wingのドローンは荷物の積み下ろしなど低速で正確な動作が必要な場合は垂直のプロペラを使ったホバリングで、高度を稼いでからは速度とエネルギー効率を高めるため固定翼で飛ぶハイブリッド方式が特徴。
当初は Google (の親会社Alphabet)でも野心的なプロジェクトを研究する Google Xで実現性を検証したのち、2018年に単独の子会社としてスピンアウトして以来、米国・オーストラリア・フィンランド三か国の限定された地域でサービスを提供しています。
就航済みのハミングバードは約1.5kgほどの小さなパッケージを運べる一方、試作機のうち小型版はわずか300g程度、大型版は3kgあまりの荷物に最適化した設計。
Wingはドローン配送システムについて、コストや効率の面から運ぶパッケージの大きさや重さにあわせた最適化が求められることに加えて、運用する場所や環境も様々に異なる本質的にマルチモーダルな課題であることから、ドローン自体の設計だけでなくシステム全体をデザインする必要があるとして、エアクラフト・ライブラリはそのための迅速な開発と試行錯誤を可能にする仕組みと説明しています。