GoogleのクラウドゲーミングプラットフォームStadiaが終了を宣言したことが注目を集めています。(購入済みのゲームは1月18日までプレイ可能)
そんななか、実はStadiaトップのフィル・ハリソン氏が、小島秀夫監督による『DEATH STRANDING』の続編を独占タイトルにする計画を中止させていたとの噂が報じられています。
なぜStadiaが伸び悩んだのか。その理由の1つとして挙げられる「他のプラットフォームでは遊べない、独占タイトルの不足」については、まさにGoogleが真っ先に取り組んだ問題のはずでした。
同社はクラウドの特性を活かした独自ゲームを実現すべく複数のスタジオを買収するとともに、数々の実績あるジェイド・レイモンド氏(初期「アサシンクリード」を統括)の率いるStadia Games & Entertainment(SG&E))を設立したほどです。
が、それからまもなくSG&Eを閉鎖。表向きには「自社ゲーム開発に必要なリソースを、外部のゲーム開発者やパブリッシャー対応に向けて、プラットフォームを強化するため」と述べられていましたが、サービス開始から1年ほどで「数十万人」のユーザー目標に届かなかったからとの噂話もあります。
さて今回、米9to5Googleが伝える情報は、SG&E閉鎖前後にゲーム業界の有名デベロッパーと共同開発していたというStadia専用タイトルのお話です。「ギターヒーロー」などの音ゲーで知られるHarmonix社(その後にEpic Gamesにより買収)などは公表されていましたが、非公表の中には小島監督の名前もあったようです。
その小島監督が取り組んでいたゲームは、当初PlayStation独占だった『Death Stranding』の続編であり、Stadia独占になる予定だったとのことです。
元々のデススト(略称)は一応はマルチプレイ対応ながらも非同期型であり、自分の世界でメッセージを残したり橋を架けたりと間接的に協力するだけで、基本的には1人プレイ用ゲームです。主人公のサム・ポーター・ブリッジズは多次元に存在はしていて「いいね!」を贈り合うことはできますが、その次元にいるサムはただ一人だけという具合。
この続編でも、やはり厳密にシングルプレイヤー体験になる企画だったとされています。
が、Google側が小島監督とのコラボをキャンセルしたのも、まさにシングルプレイヤー性が原因だったとのこと。同社はもはやソロプレイに市場はないと考えたからだと、情報筋は述べています。
本作はGoogleから承認を得て開発の初期段階に入っていたものの、2020年半ばに最初のプロトタイプが確認された直後に、プロジェクトは完全に中止されたそうです。最終的には、トップのフィル・ハリソン氏が決断を下したと伝えられています。
その後、小島監督は今年6月にXbox Gameスタジオと提携し、新作ゲームの開発を発表しています 。どんなゲームになるかは全く明かされていませんが、昨年6月、つまり噂のGoogleによる開発キャンセルから約1年後に、マイクロソフトとパブリッシングにつき交渉中との観測も報じられていました。
実は「どんなゲームか」についても噂話があり、「デス・ストランディング」のマーガレット・クアリーが主演するという「Overdose」(過剰摂取)なるタイトルと囁かれていました。このゲームをプレイする人の映像(ゲーム画面をプレイヤーごと撮影)を見たという人物は、プレイヤーがGoogleのPixelスマホを使っているようだと証言しています。
もしも小島監督のStadia独占タイトルが実現していたとして、プラットフォームの命運にどのような影響を与えたのかは、今となっては永遠に分かりません。
もっとも小島監督によると 初代デスストは2015年末に開発がスタートしており、発売の2019年末までに4年ほどかかっているようです。仮にフィル氏が続編の開発を中止させていなかったとしても、Stadiaのサービス終了までには間に合わなかったかもしれません。