アップルは10月25日未明、macOS Venturaを一般ユーザー向けに正式リリースしました。9月のiOS 16から約1ヶ月遅れ、iPadOS 16.1とは同時となります。
アップデート対象モデルは、もっぱら2017年以降に発売されたMacであり、2013~2016年発売の旧機種はほぼアップデート対象外とされています。
連係カメラ、FaceTime通話を引き継ぐHandsoff
macOS Venturaには数々の新機能や既存アプリの改善が含まれていますが、最も注目されているのが「iPhoneをMacの外付けカメラにする」連係カメラでしょう。
これはiPhoneをMacに近づけるだけでMacのカメラ入力が切り替わり、完全ワイヤレスのためケーブルも必要ないというもの。
連係カメラ起動中には、ビデオ通話中に動き回っても常にユーザーをフレーム内に捉え続ける「センターフレーム」や、超広角カメラを使ってユーザーの顔とデスクの上を同時に映し出す「デスクビュー」など、iPhoneの高性能なカメラをフル活用できます。
センターフレームはビデオ会議に、デスクビューは天吊りカメラを取り付ける面倒なく手元を映し出せることで大活躍しそうです。もっとも、後者は「広角カメラで捉えた映像をコンピュータ処理」しているため、鮮明さについて過度の期待は禁物かもしれません。
iPhoneとMacを一体化させるアダプタ「Belkin iPhone Mount with MagSafe for Mac notebooks」は、すでにアップル公式ストアで販売中です。
もう1つの「連係」は、FaceTimeのHandoff機能により、MacからiPhoneやiPadに、またはiPhoneやiPadからMacにシームレスにFaceTime通話を引き継げることです。まさにアップル製品を買えば買うほど便利になるエコシステムを体現しています。
Macでもステージマネージャ
第2の大きな変更としては、新たなマルチタスク機能「ステージマネージャ」が利用可能となりました。
macOSには以前からマルチタスクも複数ウィンドウの重ね合わせ・リサイズ機能もありましたが、iPadOS 16.1のステージマネージャと同じ名前、かつUIも近づけた格好となっています。
ただし完全に切り替えではなく、設定>デスクトップとDock>ステージマネージャをオンにすることで有効となります。無効のままであれば、従来のUIのまま使えます。
Macのステージマネージャは、アプリやウィンドウを自動的にまとめて、使用中のアプリを中央に、他のアプリを画面の左側にまとめて表示します。それら左側のウィンドウ表示をクリックすれば、すばやくアプリを切り替えられます。
またシフトキーを押したまま左のウィンドウをクリックすると、表示中のアプリはサイズを維持したまま、クリックしたウィンドウが前面に表示されます。これにより、従来通りの「開いたブラウザを見ながらエディタで作業」なども行えます。
ほか、メッセージアプリの強化やメールアプリの改善、Safariブラウザーでパスワードなしに安全にサインインできるパスキー機能などは、iOS 16.1やiPadOS 16とも共通しています。詳しくは、こちらをご確認ください。
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