Googleは10月28日(現地時間)、Android Developers Blogにて、Pixel 7およびPixel 7 Proが64ビットアプリのみをサポートする初のAndroidスマートフォンだと明らかにしました。
Googleは以前から、Androidアプリの64ビット化を進めており、2019年8月1日からは、Google Storeで公開されるアプリには64ビット版のサポートを義務付けています。これまで、64ビット非対応のアプリでもGoogle Play以外から、いわゆる野良アプリの形でインストールは可能でしたが、Pixel 7とPixel 7 Proについてはそれも行えず、完全に64ビットアプリ専用となっています。
Googleによると、64ビット専用になったことで、メモリの使用量が削減され、パフォーマンスが向上するとのこと。64ビットアプリは32ビットアプリでは利用できない追加のレジスターや命令にアクセスでき、最新のCPUで64ビットコードを実行すると最大25%優れたパフォーマンスを発揮するとしています。また、32ビットコードのサポートのために使用されていた最大150MBのRAMを節約でき、メモリ不足によりバックグラウンドでのアプリの強制終了が少なくなるとのこと。
このほか、64ビットアプリでは使用できるアドレス空間が広がるため、ASLR(アドレス空間配置のランダム化。重要なデータ領域を無作為に配置することで、攻撃者のアドレス予測を困難にするセキュリティ技術)がより効果的になるなどのメリットが挙げられています。開発者側にとっても、互換性テストスイート(CTS)にかかる時間が半分になり、アップデートが迅速に行えるようになるなどのメリットがあります。
実際のところ、Pixel 7/Pixel 7 Proが64ビット専用でも、困るという人はほとんどいないはず。一部で「フラッピーバード」などの古い32ビットゲームがインストールできない声も上がっていますが、すでにGoogle Playで配信されていないアプリのサポートを考慮するよりも、切り捨てることによるメリットを優先するのも仕方がないとことです。なお、Wear OSやAndroid TVなど64ビットに非対応なデバイスについては、今後も32ビットアプリを提供するとしています。