マイクロソフト、傘下ゲームスタジオのタイトル3本をXboxとPC独占に。米FTCへの反論書で明かす

ゲーム Microsoft
Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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米マイクロソフトが、今後3本の傘下スタジオによる新作ゲームをXboxとPC独占にする予定であることが明らかとなりました。

これは米連邦取引委員会(FTC)がMSのアクティビジョン・ブリザード買収計画の差し止めを求める訴訟を提起した件に対して、MSが37ページもの反論を記した回答書のなかで述べていることです。

その6ページ目で、MSは2020年に買収したゲームパブリッシャーZeniMaxに言及。同社による将来のタイトル3本が、XboxとPC独占になると記している形です。ZeniMax傘下には、『Fallout』シリーズ等で知られるベセスダ・ソフトワークスや、『デスループ』を手がけたアーケイン・スタジオがあります。

が、この文書では3つのタイトルは黒塗りされ、具体的な名前は伏せられています。わずかに「主に1人あるいは少人数グループ」でのプレイを想定していることだけが分かる格好です。

これら3本に、ベセスダが開発中である『Starfield』やアーケインによる『Redfall』が含まれる、あるいは含まれないことを裏付ける手がかりは文書内にはありません。

とはいえ、『Starfield』や『Redfall』ともにXboxおよびPC向け独占ゲームとする計画は、すでに数ヶ月前から発表済みのこと。さらにはFTCも、MSを提訴した理由の1つとして両タイトルを家庭用ゲーム機ではXbox独占にする計画を挙げており、あえてMSが黒塗りにする必然性も薄いとも思われます。

が、反競争的行為の有無が争われる場で、わざわざ未公開タイトルを挙げた上に「独占予定です」とFTCを挑発する理由も見当たりにくい感もあります。現時点では『Starfield』や『Redfall』以外にXbox/PC独占予定タイトルが最大で3本ある「可能性がある」程度に留まる、といったところでしょう。

この黒塗り3本のうち1本は、ベセスダとLucasfilm Gamesによる(開発はMachineGames)「インディ・ジョーンズ」新作ゲームかもしれません。本作は2021年初めに発表されて以来、いまだに対応プラットフォームが明かされていないためです。

なぜMSは独占禁止法の違反を問われる訴訟にあたり、ZeniMaxの3タイトルをXbox・PC独占と述べているのか。それは文書内では「ZeniMaxの最初の2タイトルはPlayStationの1年時限独占」と前置きしているため、とも推測されます。

つまり「Xbox/PCとPlayStation、それぞれに独占タイトルを設けてバランスを取っている」という主張のようですが、それをFTCがどう捉えるのか、今後の展開を見守りたいところです。

《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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