1月5日から米ラスベガスで開催中の見本市CESにあわせて、ソニーがPlayStation 5用の新型コントローラー「Project Leonardo」を発表しました。
Project Leonardoは多くの障がい者の方々がより簡単に、より快適に、より長時間ゲームをプレイできるように支援することを目的としたコントローラ。アクセシビリティの専門家やコミュニティメンバー、ゲーム開発者の協力のもと開発されています。
Project Leonardoは、高度なカスタマイズが可能なコントローラー。箱の中にはアナログスティックのキャップやボタンなど様々な形状やサイズの交換パーツが同梱され、ゲーマーが自分に適合した操作体系を自由自在に組み上げることができます。また体力や可動域など、プレイヤーの身体的な状況に合わせた設定も可能となっています。
PS5側でも、Project Leonardoボタンの様々なカスタマイズをサポートしています。どのボタンも任意の機能をプログラムでき、複数のボタンを同じ機能に割り当てることもできます。また同時押し("R2"+"L2 "など)を1つのボタンにマッピングも可能。そうしたボタン設定を最大3つまで保存しておき、プロファイルボタンから簡単に切り替えできます。
また別のProject LeonardoやDualSenseワイヤレスコントローラをペアリングして同時使用もできます。最大2つのProject Leonardoと1つのDualSenseワイヤレスコントローラを1つの仮想コントローラとして使用でき、他のプレイヤーと共同プレイもできるとのことです。
さらに4つの3.5mm AUXポートも備えており、様々な外部スイッチやサードパーティ製のアクセシビリティアクセサリとも接続可能です。これにより特殊なスイッチやボタン、アナログスティックも操作系に統合できる一方で、外部アクセサリは動的に接続/切断が可能としています。
こうした製品コンセプトは、先行していたXbox Adaptive Controllerとほぼ同じもの。幅広いカスタマイズ性やAUXポートを通じた外部アクセサリとの接続も踏襲していますが、協力コミュニティのThe AbleGamers Charityなども多くが共通していることから、「二大ゲームプラットフォーマーが、アクセシビリティの現場に耳を傾けた」表れと捉えられそうです。
Xbox Adaptive Controller はXboxのほかWindows PCで利用できますが、さすがにPS5コントローラにはならないため、ようやくPS5でも様々な条件のゲーマーが自分のニーズにあわせた操作系で遊べるようになりました。
もっとも、ソニーのファーストパーティタイトルにおいて、アクセシビリティへの取り組みは数年前から行われていました。PS5本体にも関連機能が搭載されているほか、『God of War Ragnarök』や『The Last of Us Part II』にも視覚障がい者向けにテキスト読み上げやハイコントラスト表示、敵と味方の色分け、音を使った手がかり、聴覚障がい者も遊びやすいよう字幕など、非常に高度なアクセシビリティ機能が導入されています。
近年のゲームハードは一昔前よりもパフォーマンスが飛躍的に高まっていますが、その性能はグラフィックスやサウンドのみならず、「誰もが遊びやすい環境作り」にも振り向けられつつあります。今後、マイクロソフトやソニーの動きにゲーム業界全体が続くかもしれません。
なお、Project Leonardoの機能追加や発売時期などの詳細は、今後発表していくとの趣旨が語られています。そちらの続報を待ちたいところです。