地上からのレーザー給電で飛び続けるドローン、中国の研究者が開発

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Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

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ドローンの普及は空撮や監視業務などに新しい手段をもたらしました。しかしローターを回転させるバッテリーの消耗は激しく、長時間飛び続けることはできません。

中国西北工業大学の研究者が、永久に飛び続けることが可能な光学駆動型ドローン(ODD)を開発しました。Chinadaily(中国日報)は、このドローンは下面に受光モジュールを搭載しており、その部分に受けた高エネルギーのレーザー光を電力に変換して、恒久的に飛び続けることが可能だと報じています

レーザーを照射する地上からは「インテリジェントな視覚追跡アルゴリズム」によって空中のターゲット、つまりドローンを正確にトレースできるとのこと。レーザーをドローンの撃墜ではなく、飛行させ続けるために使用します。

South China Morning Post紙によると、研究者らは昼間の屋内および屋外、夜間屋外の3つのシチュエーションでフィールドテストを実施し、長距離でもビームを照射する強度と密度を維持すべく、自律的にそれらを調整する「適応型ビーム整形技術」を使用したと説明しています。

この技術によって、空気中におけるビームの劣化を保護し、長距離での有効性と信頼性を向上させたとのこと。さらに、ビームとターゲット間に障害物を検知すれば、自動的にレーザー出力を安全な範囲まで調整する保護アルゴリズムも搭載しました。

軍事用途への応用が見込まれているからなのか、発表内容には実際にどれほどの範囲までドローンを飛ばせられるのか、レーザー光から電力に変換する際の効率に関する値など含まれていません。しかし報告書にはドローンが高層ビルの高さまでは飛行可能な様子が描かれており、それなりに広く、高い飛行範囲が得られそうです。

なお、レーザー光を使ってドローンにワイヤレス充電をする実験・研究は他でも行われています。たとえば2012年には、米ワシントン州のPowerlight(旧LaserMotive)が、風洞内でロッキード・マーティンのUAV ”Stalker” を飛ばして同様の充電システムの実証実験を行い、48時間の連続飛行を記録しました。またこのときは屋外で最大600m離れた場所からワイヤレス給電を成功させています。

将来的にこのような地上から空中への充電システムが実用化できれば、たとえば山での遭難者救助において、上空から捜索を継続的に行ったり、都市部のイベントなどで、大量の人が密集しそうな区域が危険な状況に至らないよう監視するといった使い方もできるかもしれません。


《Munenori Taniguchi》
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