MetaがVRヘッドセット Quest Pro と Quest 2を値下げします。Quest Proは従来の22万6800円から、新価格15万9500円へ。Quest 2は256GB版のみ、従来の7万4400円から新価格6万4405円へ。
Quest Pro は2022年10月末に発売されたばかり。発売から5か月足らずで約30% / 6万7300円も安くなりました。
Quest 2 は現在128GB版と256GB版をラインナップしますが、今回値下げされるのはストレージ容量が多い256GB版のみ。128GB版は5万9400円のまま据え置きです。
最安エントリー価格は下がらないものの、差額5000円でストレージが倍に増えることになります。
なお、Quest 2は発売から2年近く経過した2022年8月に、128GBモデル3万7180円から5万9400円へ、256GBモデル4万9280円から7万4400円にそれぞれ2万数千円ほど値上げしていました。
256GBモデルは今回の値下げで1万円下がるものの、それでも昨年の改定前よりは1万5000円ほど高いことになります。
Meta Quest Pro は名前のとおり業務用途を主眼にした上位モデル。Quest 2 と比較すれば、アイトラッキングや表情トラッキング、カラーで周囲が見えるビデオパススルー、セルフトラッキングに対応し小型化したコントローラ、処理能力が50%向上したプロセッサなど上位にふさわしい仕様を備えます。
Quest 2がコンシューマー向けのエンタメやゲームをメインにするのに対して、Pro はプロのクリエーターやコラボレーション作業向けという用途の違いはある一方で、目の周囲ではなくおでこで押さえるHalo式、後頭部にバッテリーを配した重量バランス改善など、2年ぶりの新モデルとしての改善点も備えます。
Quest Pro | Quest 2 | |
---|---|---|
視線・表情トラッキング | あり | なし |
光学系 | パンケーキレンズ | フレネルレンズ |
ディスプレイ | デュアル液晶、LED 500個のローカルディミング対応バックライト | シングル液晶、ローカルディミング非対応 |
装着方式 | 前頭部と後頭部の広いパッドで押さえる「Halo」式 | 顔面、目の周囲と後頭部の布バンドで押さえる |
バッテリー | 後頭部に配置 | ディスプレイ側に一体化 |
アイトラッキングは注視した部分を選択する等のユーザーインターフェースのほか、周辺視野の解像度を下げて処理負荷を軽減するアイトラッキングフォビエーテッドレンダリング(ETFR)も可能にする機能。
早期にETFRを導入したゲーム Red Matter 2の開発元Vertical Robotでは、プレーヤーが注視した部分の解像度(ピクセル数)を77%向上できたとしています。
人間の眼は周辺視野の解像度が低く、相対的に粗くレンダリングされていても認識できないため、実質的にはETFRによって同じGPU / CPUのままグラフィックを数十%高精細にできることになります。
Quest Proはアイトラッキングに加えて表情トラッキング用のカメラも搭載するため、たとえばVRChat などのアプリで、アバターに目線を反映したり、口や鼻、顔全体の動きや表情を反映させる表現も可能です。
年内には Quest 3 が発売予定。仕様や価格は正式に発表されていませんが、米国での価格はQuest 2よりもやや上がるとの見方が優勢です。
Meta Quest 2 の価格改定は3月5日、Quest Pro の価格改定は3月15日から。Quest Pro はMeta公式だけでなく Amazon やヨドバシカメラ、ビックカメラ、ヤマダデンキ等の量販店でも販売を開始します。
なお、Quest 2は発売当初 64GB版 / 128GB版の2モデル展開であったところ、64GB版を終売して128GB版と256GB版に切り替えていました。64GB版は現在も微妙に安く売っていることがあります。
Quest版VRゲームは比較的容量を食わないものが大半ですが、リッチな表現で容量の大きな作品や、DLCで増える作品も増えてきました。
Quest 2はストレージを外付けで拡張できないため、たとえば高精細な3D動画など、ローカルに大容量メディアを保存する使いかたの場合、ストレージが大きいにこしたことはありません。