マイクロソフトは15日、クラウドゲームサービスプロバイダ 株式会社ユビタスと10年間のパートナーシップを締結したと発表しました。
任天堂やNVIDIAのGeForce Now、ウクライナ企業Boosteroidとの契約と同じく、「アクティビジョン・ブリザード買収が成立した後に」Xboxゲームとアクティビジョンのタイトルを提供し続けるとの内容です。
これら長期にわたりライセンス供与をする契約は、マイクロソフトがゲーム大手パブリッシャーのアクティビジョン・ブリザード買収を世界各国の規制当局に承認してもらうための布石とみられています
特にアクティビジョンの元にある超人気IP「Call of Duty」を利用してゲームプラットフォームやクラウドゲーミングの独占を狙っているとの疑いを払拭するため、自社以外のハードやサービスに門戸を開放する姿勢を見せるかまえ。Boosteroidとの声明でも「1億5000万人以上」が遊べるとして、決してクローズドにするつもりはないと強調していました。
しかし今回の提携先は、実に興味深い企業です。本社が東京にあるユビタスは、過去10年にわたって大作ゲームを非力なハードで動かすクラウドゲーミングの技術的支援を続けてきました。
たとえば2015年にはスマートフォン・PCブラウザ版『ドラゴンクエストX』にHTML5向けクラウドゲーム技術を提供。さらに超自然ゲーム『CONTROL』や『アサシン クリード オデッセイ』、『バイオハザード7』といったグラフィック負荷が高いゲームも、ユビタスのクラウドゲームストリーミング技術によりNintendo Switch上で動いています。
今月初め、ちょうどマイクロソフトが「Call of Duty」はスイッチにネイティブ移植できることを「確信」していると述べたばかりです。英規制当局から、スイッチでネイティブ動作には「技術的限界がある」としてクラウド版しか提供できないのではと指摘されたことへの反論であり、つまり「スイッチにクラウド版を提供しません」と言ったに等しい事態となっています。
しかしユビタスはMicrosoft Azureによりクラウドゲームをグローバル展開している企業でもあります。このタイミングで10年契約を発表したことは、やはりCall of Dutyのスイッチ版はクラウドストリーミングでは……?との推測を招きかねませんが、今後の展開を見守りたいところです。
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