透明イヤホンNothing Ear (2)はハイレゾ対応やデュアル接続に進化、3月23日より限定先行販売

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Ittousai

Tech Journalist. Editor at large @TechnoEdgeJP テクノエッジ主筆 / ファウンダー / 火元

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新興デジタル機器メーカー Nothing が、完全ワイヤレスイヤホンの新製品 Nothing Ear (2)を正式発表しました。

透明な外装とインイヤー式のスタイルは初代Ear (1)そのまま、最高24bit / 192Hzのハイレゾ再生、個人ごとの聴覚特性を測定して自動調整するパーソナルサウンドプロファイル、独自設計の11.6mmドライバ、2つのデバイスに同時接続するデュアルコネクション、ケースの小型化など、全面に進歩した製品です。

3月23日より公式オンラインストアおよび渋谷Kith Tokyo店舗で限定先行販売するほか、3月30日より全国で販売します。一般予約受け付けは3月28日。価格は2万2800円。

Nothing はスマートフォンブランド OnePlus で知られる中国系スウェーデン人実業家のカール・ペイが2020年に創業した新興デジタル機器メーカー。ベンチャー投資家等から5000万ドルの出資を集め、Qualcommとのパートナーシップも発表したことで注目を集めています。

2021年に発表した透明外装イヤホン Nothing Ear (1)を皮切りに、スマートフォンの Nothing Phone (1)、ハーフインイヤー型で低価格なイヤホン Nothing Ear (stick)を発売してきました。

Nothing Ear (2)はNothing最初の製品 Ear (1)を進化させた次世代モデルであり、Nothingとして初の「二代目」製品ともいえます。

初代のEar (1)は比較的手にしやすい価格でアクティブノイズキャンセリング対応、バラハンスの良いオーディオチューニング、 なによりブランドのアイコンである透明外装やデザインで評価された製品でした。

二代目の Ear (2)は、初代ユーザーからのフィードバックを受けて全面的に進化。透明なケースも体積で20%ほど小さく軽くなり、バッテリー駆動時間は合計36時間再生になりました。本体のみではANCなし連続6.3時間の再生に対応します。ANCオンでは連続4時間。

細かいところでは、ケースを構成する部品を減らし設計を最適化したことでIP55防水防塵になっています(本体はIP54)。ケースは最大2.5Wでワイヤレス充電でき、Nothing Phone (1)や Qi 対応充電パッドに載せて充電できます。

イヤホン本体は、新たにLHDC 5.0コーデックに対応。最大 24bit / 192Hz、最大1Mbpsのハイレゾ接続が可能になりました。そのほかの対応コーデックは AACとSBC。

オーディオについては、ポリウレタンとグラフェン複合素材のダイヤフラムなど、27箇所を独自設計したという11.6mmのダイナミック型カスタムドライバ、デュアルチャンバー設計による中高音域の解像感と深い低音、リスニングテストを併用するパーソナルサウンドプロファイルが特徴。

パーソナルサウンドプロファイルはスマートフォンの Nothing Xアプリで周波数帯ごとの聞こえやすさを測定し、一人ひとりの聴覚特性にあわせてサウンドを調整する機能。

ヒアリングテストは健康診断の聴力検査のように、「音が聞こえたら押してください」を繰り返して、低音から高音までどの程度聞こえるかを測定します。聞こえにくい周波数帯を部分を持ち上げることで、低いボリュームでも聞き取りやすく、バランスがとれて聴こえると表現しています。

また2つのデバイスに同時接続できるデュアルコネクションも新機能。タブレットとスマートフォン、PCと音楽機器などに接続して、音楽を聴きつつ着信があったら自動で切り替えるといった使い方が可能です。

アクティブノイズキャンセリングは最大40dBのノイズを低減。ユーザーの外耳道の形状にあわせたパーソナルアクティブノイズキャンセレーションと、マイクで捉えた環境音に応じてノイズキャンセルの効きを調整するアダプティブモードに対応します。

アダプティブモードでは、ノイズの少ない環境ではノイズキャンセルの度合いを下げることで、バッテリー駆動時間の延長にも貢献します。従来はアプリからノイズキャンセルの程度を三段階で選ぶ方式でした。

マイクのノイズキャンセルも進化しており、独自に2000万以上の組み合わせのサウンドサンプルでトレーニングしたというAIで通話時の声をクリアに伝えます。

低遅延モードにも引き続き対応。標準のSBCコーデックのままバッファを削って低遅延化するタイプで、120msまで低減します。独自RF接続の低遅延ゲーミングヘッドセット等には及びませんが、音楽ゲームなど遅延にシビアでないゲームならば違和感を減らせるレベルです。

内部構造の変更として、アンテナをステム(軸)部分から上部に移動させたことで転送レートが安定し、操作時など従来はアンテナが遮られる状態でも帯域を維持できます。

操作感の点では、本体の操作がタップから、ステム部分をつまむプレス式になりました。

本体をタップする場合、特にインイヤー式では、耳に刺さったものを叩くという快適とは言い難い操作になり、マイクの位置やタップの場所によっては透過モードで衝撃を拾ってノイズになる場合もありました。

AirPods Pro のようなプレス(ピンチ)式になったことで、操作はより確実になり、叩くよりは耳に響かなくなります。やや複雑になりますが、ダブルプレスしてそのままホールドすることで、本体のみでボリュームの調整にも対応します。

Nothingによれば、日本国内でスマートフォンの Phone (1)を購入したユーザーは iPhone からの乗り換え組が約半数。

Phone (1)の Nothing OS は基本的な部分が素のAndroidに近い素直な設計ですが、Ear (1)やEar (2)といった Nothing製品はクイック設定からノイズキャンセルモードの切り替えができるなど、同じメーカーならではの親和性もあります。

Nothing Ear (2) は iPhone でも Androidでも、そのほか Bluetooth機器でも使える製品ですが、Phone (1)ユーザーにとっては iPhone ユーザーの AirPods Pro的な立ち位置になりそうです。

訂正: 発売日の誤記を修正。正しくは3月23日より先行販売です。お詫びして訂正いたします。


Nothing Phone(1) 8+256 White スマートフォン本体 【日本正規代理店品】
¥79,800
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《Ittousai》
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