米FTC、マイクロソフトのActivision Blizzard買収に仮差止め請求。MSは「判断を加速する」と歓迎

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Munenori Taniguchi

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米連邦取引委員会(FTC)が、マイクロソフトのActivision Blizzard買収に対し、連邦裁判所に仮差し止め命令を出すよう求めました。

FTCはマイクロソフトがActivision Blizzardの買収を許可されれば、ソニーなどライバル企業のプラットフォームに対して同社のコンテンツ提供を完全に差し控えたり、起動するのに追加料金を求める可能性が懸念されると述べています。

『CAll of Duty』は懸念されるコンテンツのひとつであり、マイクロソフトは今はこのシリーズを様々なゲーム環境に提供することを約束しているものの、将来的に他の人気作を含め引き揚げる権限を持っており、ソニーや他のゲーム機メーカーの顧客を奪う可能性があるとのことです。

今回の2つの差し止め請求は、FTCが2022年12月に起こした買収への異議申立ての審理が行われる8月2日より先に買収を完了させないための措置です。マイクロソフトによる買収の期日は7月18日とされており、FTCは請求において、「マイクロソフトとActivisionはいつでも買収提案を完了できると表明しているため、すぐにも一時的差し止め命令および仮差止命令の両方が必要だ」と述べています。そして、もしFTCの審理よりも先に買収手続きが完了すれば、現状を回復することが困難になるとの考えを示しました。


この買収に関しては先日、英国の規制当局が買収を却下しています。これに対してマイクロソフトは、控訴を進めるべく準備しているところです。ただ、マイクロソフトはすでに欧州当局からは買収の承認を得ており、英国での控訴が認められなくても、今回の米国での買収に関する差し止め請求が通らなければ、そのまま買収手続きを完了させられるようになります。


連邦裁判所は今後、請求されたマイクロソフトの買収取引完了を2週間延期させる一時差し止め命令と、FTCによる買収への異議申立ての審理結果が出るまで買収取引を完了できなくする仮差し止め命令を出すかどうかを決定します。もし差し止め命令の請求が却下されれば、マイクロソフトとしてはFTCの審理も速やかに進めたいと考えているようです。

FTCの審理で買収が反対されれば、マイクロソフトは連邦裁判所に控訴することになるでしょう。マイクロソフトのブラッド・スミス社長は「連邦裁判所で訴訟を起こす機会を歓迎する」と述べ、訴訟は当局による意思決定のプロセスを加速することになり、関係者全員の利益となる、政府機関とは常に建設的で友好的な選択肢を常に望んでいるが、みずからの主張が認められることには確信があり、それを法廷で示すことを待ち望んでいる、と述べています。

マイクロソフトは2022年1月に687億ドルでActivision Blizzardの買収をすることを発表し、2023年6月末までに取引を完了したいとしていました。もしこの取引が成立しなかった場合、マイクロソフトはActivision Blizzardに対し最大30億ドル相当の違約金を支払うことになると伝えられています。


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《Munenori Taniguchi》
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