Metaは6月22日より、VRヘッドセットMeta Quest 2およびQuest Pro向けにv55ソフトウェアアップデートの提供を開始しました。
アップデートは不具合を最小限に抑えるため段階的に提供されており、手元の端末で利用できるまで時間がかかる場合もあります。
今回のv55アップデートは、次世代ヘッドセットMeta Quest 3発表と同時に既存機種向けとして予告されていた更新。
メニューの変更やブラウザのマルチタッチ対応などの変更もありますが、大きなトピックとしてはMeta Quest 2/Quest Proのパフォーマンス向上(高クロック解禁)です。
v55では、Meta Quest 2とMeta Quest Pro、どちらのヘッドセットもCPUのパフォーマンスが最大26%向上し、Quest 2のGPUスピードは最大19%、Quest ProのGPUスピードは最大11%向上します。
Metaは「開発者がこれらの改善を活用することで、両ヘッドセットでよりスムーズなゲームプレイ、より反応の良いUI、よりリッチなコンテンツが実現することを期待しています」と述べています。
また、動的解像度スケーリング(Dynamic resolution scaling :DRS)も追加されました。これはPCゲームやコンソールゲームなどで利用されている手法ですが、GPUの負荷に応じて出力解像度を変更することで、フレームレート(FPS)を維持するというものです。
例として、従来は1440×1584ピクセルで描画されていたThe Walking Dead: Saints & Sinnersが、v55アップデート後に1800×1980ピクセルで描画されている様子も公開されています。
Meta Quest 2は、2022年12月にもアップデートによりGPUのパフォーマンスを7%向上しています。発売当初は490MHzに制限されていたGPUの最大クロック周波数が、v55により625MHzになることに。搭載しているSnapdragon XR2のGPUはAdreno 650なので、スペック上の最大クロック650MHzに近づきました。
なお、クロック周波数の増加は、それだけバッテリーの消費にもつながるはずですが、このあたりについてはとくに触れられていません。
このほかv55では、フル機能のMessengerアプリが追加されました。v54でもMessengerの通知は確認できましたが、v55では独立したアプリとして、モバイル版やウェブ版と同等の機能もっているようです。