先月iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxが発売されて以来、一部のユーザーから両モデルがかなり熱くなるとの報告が相次いでいました。
ゲーム中やFaceTime通話をしているときに背面や側面に触れると熱い、高速充電中は摂氏40度以上になったなどの声をBloombergが伝えていたほか、The Wall Street Journal記者も自らの体験として報じており、大きな広がりを見せていました。
iPhoneはセットアップや復元した後、高速化のためしばらくバックグラウンドでOSがファイルを処理するため、また同じタイミングでOS更新に対応したアプリのアップデートも多いことから、「動作が遅い」「触っていないのに熱くなっていた」等の反応は新機種が発売されるごとに繰り返されますが、今回はその声がいつにも増して多かったようです。
これに対してアップル広報が、「ソフトウェア・アップデートで修正できるiOS 17のバグを見つけた」等の公式声明をWSJやForbesに出しました。
アップルは「iPhoneの温度が予想より高くなり得る条件をいくつか特定した」とのこと。それらは、次の通りです。
初期設定後に一般的に起こること:「デバイスをセットアップまたは復元してから最初の数日間は、バックグラウンドでの動作が増えるため、デバイスが暖かく感じる場合があります」
iOS 17のバグ:「一部のユーザーに影響を与えるバグが見つかり、ソフトウェアアップデートで修正する予定」。またアップデートにより、パフォーマンスが低下することはないと述べています
サードパーティ製アプリ:最近のサードパーティアプリ更新により「システムが過負荷になっている」とのこと。アップルはアプリ開発者と協力して修正に取り組んでいるとしつつ、UberやInstagram、Asphalt 9といった具体的なアプリ名を出しています
なお、Instagramは9月30日に「各種不具合を修正し、パフォーマンスも向上」するアップデートを行いましたが、今回の問題に対応する部分がすでに含まれているかもしれません。
注目すべきは、アップルがiPhone 15 Proモデルのチタン製フレームが過熱の原因ではないと明言していること。チタンは以前のステンレススチール製よりも放熱性に優れていると述べています。
なぜ、アップルが「チタン製フレームのためではない」と強調しているのか。それは複数の識者が、チタンフレーム採用による設計変更が一因ではないかと推測しているためでしょう。
著名アナリストMing-Chi Kuo氏は、アップルが「軽量化を実現するため、放熱システムの設計で妥協したことが、熱効率に悪影響を与えた可能性が高い」と主張。その要因の1つとして「冷却効果に影響するチタン合金の採用」を挙げていました。
またKuo氏は「アップルはソフトウェア更新でこの問題に対処すると予想されるが、プロセッサの性能を下げない限り、改善は限定的な可能性もある」とも発言。
アップルの「アップデートにより、パフォーマンスが低下することはない」との声明は、こうした
さてアップルの声明に戻ると、iPhoneには過熱を防ぐ保護機能が組み込まれているため、安全性や長期的なパフォーマンスに影響を与えることはないと述べています。
アップルはソフトウェアアップデートの時期に言及していませんが、その続報を待ちたいところです。
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