Google Pixel 8 Proレビュー。Proだけの新機能を試してみる

テクノロジー Science
山本竜也

20年務めた会社を辞めて、ガジェットなど好きなことをブログなどに書いて生きています。

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Googleの新スマートフォン、Pixel 8 / Pixel 8 Proが12日に発売となりました。

すでに、ハンズオン的な記事はいくつか掲載されていますが、あらためてPixel 8 Proの実機を使ってみた印象を、Pixel 8 Proの特徴的な機能を交えて簡単にお届けします。




6.7インチのフラットなSuper Actuaディスプレイを搭載するPixel 8 Proは、サイズこそ大きく変わっておらず、コーナーのRが大きくなったものの、スタイリッシュな印象です。

背面カメラバー部と側面のフレームはポリッシュ仕上げで背面はマットガラス。ちなみにPixel 8はサテンメタルにポリッシュガラスとなっています。

▲左上がPixel 8 Pro、右下がPixel 8

筆者的には6.7インチはやや大きく、6.2インチのPixel 8のサイズ感が好みではありますが、Pixel 8 Proのみが対応している機能もいくつかがあるのが悩みどころです。

▲左からPixel 8 Pro、Pixel 8、Pixel 7。こうしてみると下部のベゼル(いわゆる、あご)が薄くなっているのがわかります

プロ設定は使いこなせれば便利そう

Pixel 8 Proのみの機能の一つが、カメラのプロ設定。シャッタースピードやISO、ホワイトバランスなどを細かく設定できる機能です。

Galaxyなど他社の端末では当たり前のように存在する機能だけに、そういえばPixelにはなかったねという感じなのですが、Pixel 8 Proのみようやく対応しました。

プロ設定というだけに、一般ユーザーがそう頻繁に利用するような機能ではないのですが、フォーカスのピーキング表示など、物撮りをする際にたまに欲しくなる機能も搭載されており、使い勝手は良さそうです。

▲プロ設定。ポートレートや夜景モードのようにプロ設定というモードが用意されているわけではなく、カメラアプリ右下のメニューを押すと細かく調整ができるようになります。ピーキング表示は便利そう

とくにAIでどうこうという機能ではなさそうなので、Pixelの(というよりもAndroidの)標準カメラアプリで対応しても良さそうなのですが、このあたりは差別化のためなのでしょうか。

カメラ関連でのPixel 8 Pro特有の機能としては、「動画ブースト」の提供も予定されています。こちらは、AIにより動画の色や照度、手振れ補正などを調整できるという機能。動画の夜景モードにも対応しているとのことです。

温度センサーはいまのところ微妙

Pixel 8 Proのみに搭載されているもう一つの機能が、温度センサーです。

▲右側、フラッシュの下にあるのが温度センサー

利用方法は、温度計アプリを立ち上げてセンサーを対象物に近づけ「タップして測定」を押すだけというシンプルなもの。

センサーが背面なのでどこを計測しているのかわかりにくいのですが、アプリの左上にセンサー位置を示すアイコンがあり、それを目安にどのあたりに狙いをつけているのかを確認できるようになっています。

せっかくならカメラを起動して計測対象を視認できるといいのですが、それは今後に期待したいところ。

▲左上のアイコンを目安に対象を計測。材質を設定しておくと計測精度が高まるとのこと

ただ、正確に測るためには対象物の距離を5cm以内にしなければいけないということで、やはり調理の油や鍋の温度を測るのは難しそうです。今後、FDAの認可が降りて体温測定に利用可能になったら、利用価値は高まるはず。

▲油で試してみましたが、油跳ねがかなり怖い

ベンチマークで他社最新フラッグシップと比較

最後に、スペックについても。搭載しているTensor G3は、発売前の噂ではSnapdragon 8 Gen 2と同等かわずかに下回る程度と言われていましたが、AnTuTuのスコアは「1066123」。

Snapdragon 8 Gen 2のスコアは120000台前後なので、それと比べるとやや低めでSnapdragon 8 Gen 1に近いスコアです。ちなみに、Pixel 7(Tensor G2)のスコアは「905797」でした。

▲AnTuTuのスコア。なお、AnTuTuはサイドロードしています

ベンチマークはスマートフォンの性能を示す指標の1つでしかなく、ベンチマークソフトによって計測する対象も異なりますが、他社のフラッグシップと比べると見劣りしてしまいます。16万円近い最新端末だと考えると少し残念なところです。

とはいえ、もともとスペック至上主義の端末ではなく、GoogleはPixelについて「AIを中心にソフトウェアとハードウェアを一体化させること」が目標と表現しています。

Tensor G3は本領のAI処理能力が向上しており、「音声消しゴムマジック」や「ベストテイク」などのAIを活用した新機能が利用可能になっています。

▲音声消しゴムマジックでは、動画中の音を分析して人の声や音楽、ノイズなどの成分に分離。特定の音だけを消すことが可能

またAI処理以外でも、Snapdragon 8 Gen 2には及ばないとはいえ、ハイエンドスマートフォンとしては十分な性能です。

実際、最近ではすっかり動作検証の定番になってきた「原神」も、カクツキなどは感じずに問題なくプレイできました。スマートフォンでゲームを頻繁にプレイするという人でも、不満はないのではと思います。

▲原神はデフォルトで画質設定が「中」に。Pixel 7はデフォルトが「低」でした

なにがなんでもスペック番長なハイエンドモデルを!という人には向かないかもしれませんが、それなりにハイスペックで、最新のAI技術やGoogleのコンピュテーショナルフォトグラフィーを体験したいという人には良い端末です。

ただ、従来モデルより高くなった価格がネック。キャリアの購入サポートや、Google Storeでの期間限定オファー(10月20日まで)を上手く利用したいところです。

《山本竜也》

山本竜也

20年務めた会社を辞めて、ガジェットなど好きなことをブログなどに書いて生きています。

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