サムスン電子ジャパンは、スマートタグ「Galaxy SmartTag2」を10月19日に日本で発売します。同社のスマートタグとして国内初展開です。価格は3979円。
Samsungのスマートタグとしては、グローバルでは2021年にSmartTagとSmartTag+を発売済み。SmartTag+は近距離で方向も検出できるUWB対応版です。
今回国内で販売するSmartTag2は後継機種にあたり、あらたにIP67等級の防塵防水に対応したほか、NFCも搭載。旧機種では「+」のみだったUWBにも対応しています。
スマートタグなので、基本的な使い方はAirTagやTileなどと同様。紛失した場合には、タグから音を鳴らして探せるほか、最後に通信を行った場所をマップで表示できます。
Bluetoothが届く距離を離れてしまった場合、他のGalaxyユーザーが近くにいれば、その位置情報を使ってマップ情報を更新できます。なお、ストーカー防止機能として、自分のものではないSmartTagが近くにあると通知をする機能もあります(Galaxyユーザーのみ)。
SmartTag2での進化点としては、リング部が大きくなったことでキーホルダー等を装着しやすくなっています。また、IP67に対応したことで屋外でも利用しやすくなりました。
機能面ではNFCを搭載。紛失した場合に、アプリから紛失モードを有効にするとメッセージと連絡先を入力可能に。見つけた人がNFCを読み取ると、そのメッセージと連絡先が表示されます。ただ、このタグを見つけた人がスマホを近づけてNFCを読み取ってみようと思うかどうかは、今後のプロモーション次第な気はします。
また、UWB(Ultra Wide Band)に対応しており、UWBを利用できるGalaxy端末であれば、大まかな方向と距離を表示しながらタブを探す「コンパスビュー」が利用できます。ソファーの隙間に落ちてしまったタグを探すときなど、近くにあるはずなのに見つからない場合に便利です。
このほか、スマートフォンが通信圏内にある場合には、SmartTag2のボタンをIoT機器を操作するリモコンとして利用可能。最初に設定が必要ですが、照明のON/OFFなどに利用できます。
バッテリー持ちは通常使用で最大500日。省電力モードなら最大700日。なお、バッテリー自体はボタン電池(CR2032)を利用しており、ユーザーによる交換が可能です。
ようやくApple以外の大手スマートフォンメーカーからスマートタグが登場したと喜びたいところではありますが、位置情報を他のユーザーに頼って取得する仕組みの有用性は、母数となるユーザーの多さにかかっています。
日本でもユーザーが多いApple製品では、OSレベルでFind Myネットワークをサポートすること、サードパーティにも開放するなど積極的に展開しており、実際、ある程度の人流がある場所ならばほぼリアルタイムにAirTagの位置情報を取得できるなど実用性も高くなっています。
(反面、他社製の追跡タグと同じくストーキングなどの懸念があり、Apple含め各社は不審なタグを検出する機能など対策を続けています)
この点、Galaxyスマートフォンなど、サムスン版の「探す」ネットワークであるSmartThings Findユーザー頼みとなるとSmartTag2は、韓国などユーザーの多い地域ではまだしも、日本では位置情報のリアルタイムでの取得は比較的難しく、相手がたまたまGalaxyユーザーでもなければストーキングに使うこともできないでしょう(Galaxyユーザーであれば警告で発見されますが)。
このため、外で紛失したものを探すというより、自宅内で見失った鍵を探す、置き忘れた際に通知を出すなどの使い方が主になりそうです。せっかくなら、同様の機能がAndroidやモバイルOSの標準機能として使えるようになることに期待したいところです。